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3密やクラスターに「違和感なし」 国語の認識、コロナで変化

 文化庁は24日、令和2年度の「国語に関する世論調査」の結果を発表した。「不要不急」「3密」「クラスター」など新型コロナウイルス禍で誕生した言葉が浸透しつつある傾向が判明。ウェブ会議などの普及で国語の認識に変化が生じていることも分かった。

 調査は国語への理解や意識を深めるため、平成7年度から対面方式で毎年実施。今回はコロナ感染拡大を受け郵送方式で今年3月に行い、16歳以上の男女3794人から回答を得た。

 調査では、コロナ流行下で新たに使われ始めた、不要不急▽コロナ禍▽3密▽ステイホーム▽濃厚接触▽ソーシャルディスタンス▽クラスター▽ウィズコロナ-の8つの言葉についてその印象を質問した。

 例えば、密集、密接、密閉を意味する「3密」。コロナ流行前にはない新語だが、違和感なく受け入れ「そのまま使うのがいい」と回答した割合は61・1%。30・8%は「説明を付けた方がいい」と回答し、「他の言い方にした方がいい」と否定的だったのは7・2%にとどまった。

 文化庁は「これほど多くの新しい言葉が一度に日常生活で使われるようになったのはまれ」と指摘する。

 また、コロナ禍で生じたコミュニケーションの変化を踏まえ、ウェブ会議に参加した際の注意点なども質問。「話すタイミングに気をつける」(58・4%)「他の人の話を最後まで聞く」(40・2%)などの回答が目立った。

 今回の調査では73・9%が「日本語を大切にしている」と答えており、理由は「日本語でものを感じたり、考えたりするから」(53・6%)が最多だった。文化庁の担当者はウェブ会議などの普及に触れ、「コロナ禍が、コミュニケーションのツールとしての日本語を改めて考える機会になったのではないか」と話した。

 「がぜん」「破天荒」違う意味で使用6割超

 今回の調査では、本来とは異なる意味で使われるようになっている言葉などについても確認された。例えば、「がぜん」という言葉を「急に、突然」という本来の意味で認識していたのは23・6%。67・0%の人は「とても、断然」だと思っていることが分かった。

 他にも「誰もなし得なかったことをすること」である「破天荒」は65・4%が「豪快で大胆な様子」と回答し、本来の意味とは異なる使い方をしていた。

 文化庁の担当者は「『がぜん』は『断然』に響きが似ている。『破天荒』も『破る』『荒い』の文字から豪快さなどが連想され、それぞれ引っ張られたのではないか」と分析した。

 本来とは違う言い方をされることが多い慣用句の事例では、わずかの時間も無駄にしない様子を表す場合、「寸暇を惜しまず」を使う人は43・5%。本来の「寸暇を惜しんで」の38・1%を上回った。

 また、新しい意味や使い方が辞書に記載され始めた表現では、程度が甚だしい様子を表す「めっちゃ」を80・5%の人が気にならないと回答。ただ、この表現を使うことがあるとしたのは57・9%だった。

 「そっこう」(すぐ)や、「地味に」(騒ぐほどではないが確かに)という表現は、ともに6割超の人が気にならないと回答した。「鬼かわいい」のように「鬼」を「とても」という意味で使うケースを気にならないとしたのは26・1%だった。

 可能表現の「ら抜き言葉」では、例えば「見られた」と普段から「ら」を省略せずに使っているのは46・2%。対して「見れた」は52・5%に上った。また、「来られます」との表現を普段使っている人も46・4%にとどまり、「来れます」の52・2%を下回っていた。

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