「妊活」9割がストレス感じる 女性はどんな悩みを抱えているのか

2015.4.5 07:04

【DATA WATCHING】

 女性の社会進出が進むにつれ晩婚化となり、厚生労働省が2014年11月に発表した平成25年人口動態調査によると、初めて出産する女性の平均年齢は30.4歳と、30歳を超えている。年齢が高くなるにつれ、自然に妊娠を待つのではなく、妊活に取り組む女性も増えているが、思い通りに進まなかったり体力的にもきつかったりと、ストレスを抱える女性も多いようだ。こうした「妊活」について、女性はどんな悩みを抱えているのか、また、パートナーとどのように協力しているのか。株式会社エムティーアイが運営する女性の妊娠・出産・育児までをサポートする情報サイト『ルナルナ ファミリー』では、妊活・妊娠・育児中の女性を対象に「妊活のストレスとパートナーとの関係について」の調査を行なった。調査の結果、約9割の女性が妊活にストレスを感じていることがわかった。

 ■妊活開始から妊娠まで、かかった月数は?

 まず始めに、妊活開始から妊娠するまでにかかった月数を聞いたところ、最も多かったのは「3カ月以内」で28.8%、次いで「4カ月以上~6カ月以内」で25.8%と、半数以上の人が、半年以内で妊娠していることがわかった。一方で、約2割の人は1年以上の妊活期間を経て妊娠しており、最長で5年間という回答もあった。妊活を開始してから妊娠するまでの期間は個人差も大きいので、あまり焦らず自分のペースで活動し、ゆったりとした気持ちでいることが大切なのかもしれない。

 ■子どもは何人欲しい?

 続いて、欲しい子どもの人数について聞いたところ、1位は「2人」で61.6%、2 位は「3人」で30.1%と、妊娠を希望する9割以上のユーザーは2人以上の子供を望んでいることがわかった。しかし、厚生労働省の前述の調査では、現在の日本の出生数は平均1.43人となっており、その数字のギャップには、妊娠を望まない人の増加も大きく関わっていると思われるが、“二人目不妊”や、働くママたちの就労環境など出産後の女性を取り巻く社会的な要因も大きいのではないだろうか。また6.4%の人が「1人」と回答しているが、初産の出産年齢が上昇していることもあり、「1人」で十分と考えているユーザーも一定数いるようだ。

 ■約9割の女性が妊活にストレスを感じている

   次に、妊活中にストレスを感じたことがあるか聞いたところ、86.1%の女性が「ある」と回答しており、「ストレスを感じたことがない」という人は、13.9%しかいないことがわかった。妊娠するにはストレスの少ない規則正しい生活を送ることが大切だが、ストレスフリーな生活を送るのはなかなか難しいようだ。

■妊娠しないことに焦ったり、人と比べたり……妊活はストレスとの戦いも

   妊活中にどのようなストレスを感じるかをたずねたところ、「なかなか妊娠しない焦り」と回答した人が35.0%と最も多く、「自分より遅く結婚した人からの懐妊報告」17.8%、「ネガティブになる自分に自己嫌悪する」17.2%と続いた。また、自由回答には「自分は不妊症ではないかと毎月不安になる」「結果的には2カ月で授かることができたが、ネットの情報や基礎体温などから自分は人より妊娠しにくいと思い込んでいた」など、先のことがわからない妊活に、不安を感じながら取り組んでいる様子がうかがえる。妊活は、自分でコントロールできない要素も大きいため、人と比べたり思い詰めたりせず、自分のペースをつかんで活動できることが望ましいといえそうだ。

 ■落ち込んだ時は“夫に相談”が第1位

 妊活中に落ち込んだ時の対処方法を聞いた結果、1位は「夫に相談する」で30.7%、2位は「ネットのSNSや掲示板を見る」で25.1%、3位は「仲の良い友人に相談する」19.6%だった。妊活は女性が一人で行うのではなく、夫婦で協力して行うもので、そのパートナーである「夫に相談する」が今回最も多い回答となったのは、うれしい結果だ。

 また、2位の「ネットのSNSや掲示板を見る」は、匿名やニックネームで投稿できるため、夫や家族など近しい人にはいえない本音を話すことができたり、自分と同じような悩みを抱えている人の投稿を見たり、意見を聞く事で、素直な気持ちを吐露できるのかもしれない。

 ただ人によって使い方は様々で、ネガティブな意見もあるため、真偽のわからない情報に振り回されることなく、上手に活用すれば強い味方となってくれそうだ。そのほか、「趣味や仕事に打ち込む」という意見もあるように、ほかに心を注げる何かを見つけることで、妊娠のことだけを考えるのではなく、メリハリのある生活を送ることも気分転換になっているようだ。

 ■何気ない一言が、頑張っている妊活女性を傷つける結果に

 妊活中にやめてほしいと思った周りの反応について聞くと、最も多かった意見は、「子どもはまだ?」だった。同様に「早く生んだ方がいいよ」との言葉に、「私だって子どもを望んでいます!」との声や、「あいさつ代わりにまだ?と聞かれる」、「『当然すぐできる』という前提で話される」など、周囲が軽い気持ちで言った言葉でも、妊活している女性にとっては、心ない言葉に感じられ傷ついている人も多いようだ。

 また、「二人目は?」「一人っ子はかわいそう」など、二人目を急かされることや、「男の子のみを希望される」など、自分では対処できないことについて、周りからプレッシャーを感じストレスになっていることがわかる。

 ほかにも、「周囲からタバコや飲酒を勧められること」、「子どもを希望していないものとして話をされる」など、様々な意見があり、「無理に励まそうとしないでほしい」との意見からは、そっとしておいてほしいと感じている本音もうかがえる。何気なく言ってしまう一言や、良かれと思ってかけた言葉が、妊活女性を傷つけてしまう可能性があることを周囲も理解することが必要だ。

 ■「一緒に頑張ろう」など、同じ妊活中の女性からの言葉が励みに

 反対に、妊活中にうれしかった周りの反応について聞いてみると、夫や友達だけでなく、同じ妊活中の人からの言葉がうれしいという声が多くみられ、自分の思いに共感してもらえた時に、救われたと感じることが多いようだ。

 ★思いつめすぎないように、とかけられた言葉

 「ゆっくり頑張ろう」

 「心配しなくても大丈夫」

 「あなたのせいじゃないよ」

 「1人で悩まないでね。」

 ★カラダをいたわる言葉・救いになった行動

 「身体を大事にしてね」

 「妊活にいいものをプレゼントしてくれた」

  「重いものを持ってもらえた」

 ★自分の気持ちに寄り添ってくれる言葉・妊活中の人からの言葉

 「悲しいよね」

 「私も同じ体験をしたよ、辛いよね」

 「一緒に頑張ろう」

 ★夫からの言葉・救いになった行動

 「君が元気でそばにいてくれて、一緒にいられるだけで幸せだよ」

 「自分たちのスピードで、焦らずゆっくりやろう」

  「“焦らないで大丈夫”と抱きしめてもらえた」

 ★赤ちゃんについての言葉

 「まだ二人のところに下りてくるタイミングを待ってるんだよ」

 「まだ赤ちゃんがこないのは夫婦との時間を大事にしなさいってことだよ」

 「ママが悲しくて泣いてたら、赤ちゃんだってきたくないって思うよ、だから幸せオーラだしまくろう!」

■8割以上の夫が妊活に協力的

 夫が妊活について協力的かたずねたところ、「協力的」48.2%と「まあまあ協力的」34.8%の回答を合わせると、8割以上の夫が協力的という、うれしい結果となった。妊娠は自分だけでなく2人で行うものだからこそ、夫の協力は必要不可欠だが、残念ながら「協力的でない」「あまり協力的ではない」という夫も少なからず存在しているようだ。

 ■夫の協力が不可欠な妊活!しかし、すれ違ってしまう悲しい現実も

 夫の行動で悲しかったことや、すれ違いを感じたエピソードについて聞いてみると、そもそも女性と男性ではカラダのつくりも考え方も違うため、女性の想いをそのまま理解するのはなかなか難しいのかもしれない。しかし妊活はパートナーとの協力が重要で、女性の努力だけで成功することはできないから、夫にはわかってほしい、一緒に頑張ってほしい…という想いも強いはず。それなのに協力してくれないと悩む、様々な声が集まった。

 ★“仲良し日”(性交渉)に関するエピソード

 「タイミングの日に疲れているから、眠いからと相手にしてもらえなかった」

 「今日は無理と言われる!」

 「妊活と思ってSEXするのがストレスと言われた」

 「すればいいんだろ!と言われた」

 「この日!と決めてするのは嫌だ!と言われた。」

 「セックスレスになった」

 ★協力してくれない!エピソード

 「自分には不妊の原因がないと思っている」

 「趣味と仕事が中心の生活で、妊活に協力してくれない」

  「タバコをいつまでたってもやめてくれない」

 「子供がほしいというくせに、努力をしてくれない」

  「いつが良いタイミングか聞いてくれていない」

 ★何気ない言葉・態度についてのエピソード

 「子供が欲しいと、ふいに口にされることが辛い」

 「今回は妊娠したでしょう、と言われた」

  「何で生理がきたの?と言われた」

 「焦りすぎ、と言われた」

  「生理が始まってしまったとき、自分は泣いているのに相手は慰めてくれない」

  「何でそんなことを話し合わないといけないの?と言われた」

 「妊活に必死過ぎない?と一言…」

 ■パートナーからのねぎらいの言葉が、妊活を頑張る女性の活力に

 次に、夫の行動でうれしかったこと、人に話したくなったエピソードについて聞いてみたところ、うれしいと感じるポイントは人それぞれですが、目に見えた行動はもちろん、さりげない夫の行動や言葉が励みになっていることがわかった。「大したことない」「当然」…と思っていることでも、声に出したり行動に移すことが大切なようだ。

 ★“仲良し日”(性交渉)に関するエピソード

 「“仲良し日”を旦那が覚えていてくれた」

 「タイミングを合わせる日を聞いてくれるようになった」

  「タイミングを取る日を伝えたら、いつもありがとうねって言ってくれた」

  「また来月頑張ろうと言ってくれた」

  「妊活前の仲良しは月1回だったけど、妊活を始めたら週1回以上に増やしてくれた」

 ★協力してくれた!エピソード

  「一緒に頑張ろうと病院に付き添ってくれた」

 「いつもありがとう、と言ってくれた」

  「病院に行こうかな、と自発的に言ってくれた」

 「先輩パパに相談してくれていた」

 ★何気ない言葉・態度についてのエピソード

 「夫が誘ってくれた」

 「子宝祈願の有名な神社にお参りに行きたい!と言ったら、快く連れていってくれた」

  「ストレスを感じないようにと家のことを手伝ってくれたこと」

 「一緒に妊娠の勉強をしてくれた」

  「コウノトリさん、住所がわからないのかな?と私を笑わせてくれた」

  「体を冷やすのは良くないと話したら、布団をかけてくれるようになった」

■妊活を夫と協力するコツは、感謝と気遣い

 最後に、妊活をする上で、夫に対してどんな気遣いや工夫をしているのか聞いてみたところ、最も多かった回答が「妊娠に関する情報をさりげなく伝える」で26.0%、次いで「普段からスキンシップをとる」23.6%、「褒める、感謝の気持ちを伝える」17.6%、「夫の体調を気遣う」16.6%と続いた。

 夫へ負担をかけないように気遣ったり、感謝の言葉を伝えるなどのコミュニケーションを積極的にとったりと、妊活を夫婦一緒に頑張ろうとしている女性の姿が浮かぶ結果に。しかし、妊娠にストレスは禁物。たまにはパートナーに甘えてみたり、つらい時は家族や友達に話を聞いてもらったりと、ストレスをため込まないように取り組むようにしたい。

 妊活は取り組んでいる当事者にしかわからない思いや苦しみがあり、そのため、周りの態度や言葉に傷ついたり、頑張りすぎてパートナーとのすれ違いが増えてしまったりと、想像するよりも大変で、苦労しながらも頑張っている女性が多いことがわかった。

 「妊娠までの道のりは、先の見えないトンネルを走り続けることに似ている」とも言われる。不安になったり悩んだりすることもあるが、根を詰めすぎず適度なリフレッシュを取り入れて、前向きに取り組んでほしい。

 ※調査概要

  調査実施時期:2014年9月30日~10月30日 

  調査方法および人数:『ルナルナ ファミリー』サイト内にて1240名

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