泡にこだわり「液体せっけん」新商品続々 保湿や肌荒れ防止

2016.3.26 17:06

 ポンプを押すと泡状で出てくる「液体せっけん」に、本来の洗浄力だけでなく、保湿成分や肌荒れ防止成分を配合したり、手では作るのが難しいきめ細かな泡ができる工夫を加えたりと、さまざまな機能を備えた商品が増えている。液体せっけんの普及に伴い、泡にこだわる消費者が女性を中心に増えているためで、メーカー各社は独自技術を採用した新商品を次々と投入している。(阿部佐知子)

 洗顔料+保湿力

 ロート製薬は今年3月、泡状に出るタイプの洗顔せっけん「極潤」シリーズから2種類の新商品を発売した。

 このうち「ヒアルロン泡洗顔」は、高い保水力で知られる「ヒアルロン酸」の2倍もの水分を抱えることができる「スーパーヒアルロン酸」に加え、水で流した後も肌に吸着して残る肌吸着型ヒアルロン酸を配合。うるおい感のほか、心地よい洗い上がりにこだわった。

 ポンプを押すだけでメレンゲのような泡が生まれ、弾力感のある泡が、肌をやさしく洗いあげる。メイクを落とすこともできる。

 ほかにも、ニキビや肌荒れに悩む人向けに、ハトムギエキスを配合し、弾力のある泡がやさしく洗浄する「ハトムギ泡洗顔」を発売した。

 担当者は「洗顔市場は年々伸長傾向で、洗顔料に保湿が求められる傾向が強まっている。きめ細かい泡が立ちやすい配合などに工夫を重ねた」と話す。

 肌タイプ別に

 花王も昨年2月以降、手ではつくれないほどのきめ細かい泡がポンプを押すだけで簡単に出てくる泡タイプの洗顔料「ビオレ マシュマロホイップ」シリーズで、毛穴やキメの皮脂もすっきり落とす「ビオレ マシュマロホイップ ディープクリア」を新たに販売している。

 皮脂クリア成分の水添ポリイソブテンを配合しており、毛穴やキメの皮脂をすっきりと落とす。

 「ニキビ肌」「乾燥肌」「ベタつき肌」など肌タイプ別に4種類と豊富に取りそろえたのも特徴だ。

 担当者は「女性が洗顔料に求める品質として、汚れ落ちや洗い上がりに加え、泡質などへのニーズが高まっている」と説明する。

 用途が拡大

 泡状の「液体せっけん」は、そもそも小さい子供を洗うのに使いやすいため、ベビー用品として販売されたが、使いやすい泡に注目した大人たちの間でも消費が拡大。単なる洗浄以外にも機能が付け加わり、大手メーカーが相次いで参入してきた。

 液体ハンドソープ「キレイキレイ」を販売するライオンによると、泡タイプが最も普及しているハンドソープ市場では、いまや全体の約7割を占めるまでに普及しているという。

 泡タイプのボディーソープも増えたことで、体洗いの習慣も変化している。

 ヘルスケア商品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンによると、東京で働く20~30代の女性100人に対する調査では、体を手で洗うとした割合は2年前より増えており、担当者は「体をゴシゴシ洗うことが、皮膚の乾燥や肌のトラブルにつながるといったことが知られ、泡で優しく洗うことが認知されてきている」と話している。

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