「○○会社 ブラック」で検索すると…就活生がブラック企業を避けるには?

2016.7.31 17:05

 就職活動時に、自分が目指している会社がブラック企業かどうか気になる学生も多いようです。応募する前にインターネットで検索して確かめる学生が増えています。「○○会社 ブラック」と検索して、その企業の噂や悪評などを集めているようです。

 ブラック企業に明確な定義はありませんが、一般に、違法または悪質な労働条件で働かせる会社を指し、長時間労働やサービス残業を強いる企業のことを呼びます。

 就職難の平成20年ごろから、大量採用後に厳しいノルマを課して必要な人材以外は辞めさせたり、パワハラや退職強要を行ったりする企業をブラック企業と呼ぶようになりました。最近では就活時に、入社をお勧めしない会社に対して使われています。

 就活生が考えるブラック企業とは、どういうイメージなのか尋ねてみました。まず、最初にあがったのが「残業代が支払われない」で、次いで「労働条件が過酷」「離職率が高い」と続きます。一方、企業の採用担当者に同じ質問をしたところ、就活生と同じく「残業代が支払われない」がトップでしたが、2位以降は若干異なり「募集条件と実働が著しく異なる」「セクハラ、パワハラがある」が僅差で続きました。学生は、長時間労働に警戒感があり、採用担当は働く環境について意識していることが読み取れます。

 ただ、「この会社はブラック企業、と安易に決め付けるのは避けるべき」と採用担当者の多くは指摘します。「ブラック企業といわれていても、やりがいを感じて頑張っている社員も多くいる」と言います。別の担当者も「ブラック企業は嫌だという前に自分は何がしたいかを考えるべき」と話していました。

 「内定後のOB・OG訪問が重要」とアドバイスしてくれたのが、社会人2年目のAさんです。今の勤務先について、就職活動時にネットで調べたそうですが、ブラック企業という噂はなかったといいます。しかし、配属された部署に問題がありました。その部署にはいわゆるパワハラ上司がいて、毎日、悪戦苦闘の日々を送っているそうです。Aさんは「内定から入社までの期間に、人事部に頼んでいろんな部署の人と話をする機会を作り、各部署の情報を収集しておく方がよい」とアドバイスしてくれました。

 ネットの情報をうのみにするのではなく、取捨選択することが必要です。自分にとってブラック企業かどうか、実際に足を運んで自分の目で見て決めてほしいと思います。(キャリタス就活編集長・駒形一洋)

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