【CAのここだけの話♪】現役CAが体験したセンスのいい「お声掛け」 ステキな出逢いは逃さずに!

2019.2.4 07:00

 SankeiBizの読者の皆さんにだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第45回は東南アジア系航空会社に日本人CAとして乗務2年目の新田祐子がお送りします。

 「CAだったらモテるでしょ?」

 「CAだったら出逢いも多いでしょ?」

 友人(特に男友達)からこのような質問を受けることがあります。その中でもっとも多いのが「お客さんから連絡先もらったりすることあるの?」です(笑) 正直にお話しすると、答えは「YES」です。

 先日も客室乗務員の友人たちとの食事会で、そのうちの一人が「お客さまから連絡先をいただいた」と実際に話していました。

 というわけで、今回は「袖振り合うも多生の縁! 素敵な出逢いを逃さない!? 現役CAが体験したセンスのいいお声掛け♪とその留意点」と題して、少しお話しさせていただこうと思います。

サービス中ならこのタイミング

 まずは王道! フライト中のお飲み物・お食事のサービスの際に連絡先を渡す方法です。お飲み物やお食事のサービスは、客室乗務員がおもてなしの心をもって一人一人すべてのお客さまにお声掛けさせていただきます。そんな時がスマートに渡す絶好のチャンス!

 乗務員がお飲み物やお食事をお渡しする際はもちろんですが、それよりもおすすめなのがゴミを回収するタイミングです。機内食のトレーにさりげなく連絡先を書いた紙を置いておく。また、紙コップなどに連絡先を書いて乗務員に渡すと良いでしょう。

 ただ、必ず「もしよかったらこちらに連絡ください」の一言を忘れずに!! 気付かれず連絡先がそのままゴミ箱に…なんてことになったら悲しすぎますからね。

他の乗務員の協力を得る 心理的要因との相乗効果大?

 ある日のフライトで他の乗務員から声をかけられました。

 「36Gのお客さまが呼んでるよ」

 はて、なんだろう? と思いそのお席に行ってみると連絡先を書いた紙を渡されたということがありました。

 みなさま、「吊り橋効果」をご存知でしょうか。カナダの心理学者によって実証されたこの理論は、簡単にいうと「人は緊張感のドキドキと恋愛感情のドキドキを勘違いする」というもの。これが特定のお客さまに呼び出されたときの私たち乗務員の心理にも当てはまるかもしれません。

 乗務員は呼び出されたとき、接客で何か至らない点があったのだろうか。何か緊急のことでもあったのだろうか…などなど不安がよぎり緊張するものです。そんな「ドキドキ」状態の乗務員にすっと連絡先を手渡せば、吊り橋効果で恋愛感情と“勘違い”して連絡が返ってくる確率が上がるかも!? というわけです。

 乗務中は何かと忙しい乗務員。手の空いているタイミングをうまく見計らって声をかけてみてくださいね。

去り際にさりげなく コツをつかんで確実に

 こちらも王道パターンですが、降機する際に連絡先を手渡すという方法です。オススメ理由は、なんと言っても手渡した後もお互いが恥ずかしくないというところです。またすぐに姿を消してしまうため、余韻を残すことも可能!(笑) 乗務員としても、無事に着陸し安心しているところなので受け入れやすいかもしれません。

 ただ、この方法を試す際には事前にその乗務員のワーキングポジションを把握しておく必要があります。

 まさに「CAのここだけの話」! 少し専門的な話になりますが、私たち客室乗務員はその日の自分の管轄エリアが決まっています。飛行機の前方なのか後方なのか、通路左側なのか右側なのか…もちろん乗務中に、「私は後ろの担当だから前のお客さまは関係ないわ」なんてことは絶対にしませんが、お客さまの搭乗・降機の際には自分の管轄エリアを中心に働いている場合が多いのです。

 例えば飛行機の通路左側の座席のお客さまが、せっかく連絡先を渡そうと思ってもお目当ての乗務員が通路右側の担当だった場合、お降りになる際に声をかけられない…ということも起こりうるのです。

 ですので、降機の際はお目当ての乗務員がどこに立っているかをしっかり確認した上で連絡先を渡してくださいね。どうしても直接渡せなかった場合は、別の乗務員に託すのも一つの手ですよ。

◇◇◇

 いかがでしたでしょうか。以上がわれわれ客室乗務員が実際に体験したものの中で多くを占める3パターンでした。

 他のパターンとしては、ギャレー(客室乗務員がお食事などを準備する場所)に来て直接連絡先を渡されるお客さまもいらっしゃったようですよ。また、話のきっかけとしては「○○に旅行に行くの今回が初めてなんですよ。どこかオススメのところはありますか?」なーんて話題で声をかけると自然で良いかもしれませんね。

 次のフライトのときは、名刺または小さなメモをポケットに忍ばせて搭乗してみてはいかがでしょうか?

新田祐子(にった・ゆうこ)

石川県金沢市出身。地元の国立大学卒業後、公立中学校教諭として3年間勤務。広い世界を見たいという思いから教職を退職し、その後シンガポールで語学を学びながら約一年間働く。2017年2月より東南アジア系航空会社で客室乗務員として勤務。SNSにて、客室乗務員を目指すすべての人にむけて、自身のクルーライフを紹介。また自社の就航地の魅力を伝えるため、世界の魅力を伝えるための情報発信も行っている。

【CAのここだけの話♪】はエアソルに登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。エアソルはPR、商品開発、通訳、現地リサーチ、ライター業務等、現役CAの特性を活かせるお仕事を副業としてご紹介しています。

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