親露派「対話の用意」
一方、ウクライナ大統領選で、ドネツク州の親ロシア派勢力リーダー、プーシリン氏は5月26日、当選を確実にした親欧米派のポロシェンコ元外相と「対話の用意がある」との声明を出した。声明は、ロシア側代表者の出席を条件に掲げ、ウクライナからの分離独立の構えを崩していないが、混乱の長期化で東部住民は将来への不安を募らせており、親露派勢力が今後も住民の支持を確保できるかどうかは不透明な情勢にある。
ウクライナ中央選管によると、親露派武装集団の妨害にもかかわらず、ドネツク州とルガンスク州では数十万人の有権者が大統領選に投票し、それぞれ15%近くの投票率に達した。開票の結果、ポロシェンコ氏が得票率30%以上を集めてトップに。ウクライナ統一を願う住民が、親露派の暴力行為に嫌悪感を抱いている実態がうかがえた。(キエフ 遠藤良介、ドネツク 佐々木正明/SANKEI EXPRESS)