一夫多妻の鳥の特徴はオスがきれいでメスが地味なこと。地味な姿は敵に見つからないための作戦で、きれいなオスは敵に見つかりやすくその寿命は短い。それなのになぜ、メスはきれいなオスを選ぶのだろうか。それは、一番きれいなオスを選ぶことで自分の息子が一番になれば、息子が一気に遺伝子を増やしてくれるからだ。
息子の寿命が短くても、孫が多ければ母親の遺伝子は未来へと引き継がれる。気楽そうに見える鳥たちも、実は、遺伝子を増やすための熾烈(しれつ)な戦いをしているのだ。(写真・文:東京大学名誉教授 唐木英明/構成:文化部 平沢裕子/SANKEI EXPRESS)
■からき・ひであき 1941年、東京都生まれ。73歳。東大名誉教授。獣医師。公益財団法人「食の安全・安心財団」理事長。著書に『不安の構造』など。