埼玉県狭山市で3歳の藤本羽月(はづき)ちゃんが自宅マンションで死亡しているのが見つかった事件は、保護責任者遺棄容疑で母親と内縁の夫が逮捕されてから25日で2週間が過ぎた。県警が執拗(しつよう)かつ日常的だったとみている羽月ちゃんへの虐待。その背景には何があったのか。
やせ細り
「女の子の顔にあんな(やけどの)傷は考えられない。鬼畜だ」
県警の捜査関係者は怒りで声を震わせる。
事件は9日、狭山市のマンションで羽月ちゃんが、顔にやけどを負った状態で死亡しているのが見つかった。羽月ちゃんには「皮膚が剥離(はくり)したようなものなど、傷が体全体のあちこちにあった」という。
捜査関係者によると、母親の藤本彩香容疑者(22)と大河原優樹容疑者(24)は無料通信アプリ「LINE(ライン)」で「帰ったら水をかけよう」などと相談。押し入れに金具とロープで閉じ込めた可能性もあり、やけどは大河原容疑者が熱湯をかけたとみられる。発見時の羽月ちゃんはやせ細り、胃には食物がなかった。