【アートクルーズ】
森美術館での「村上隆の五百羅漢図展」に続いて開幕した「村上隆のスーパーフラット・コレクション」のために横浜美術館へと足を運んだ。私は、前者で最大の売りとなる延べ100メートルに及ぶ表題作を、2012年、カタールの首都ドーハでの世界初公開の際に見ている。今回はあらためての鑑賞となった。もっとも、東日本大震災に触発されて描かれたこの巨大な絵画を、いまなお遅々として復興が進まない被災地を抱える自国で見るのは、やはり相当に異なる体験だった。が、そのことについては近く論を立てる準備をしているので、ここでは立ち入らない。対照的に、後者の展覧会は、私にとってもまったく未知数の展示である。鬼が出るか蛇が出るか。そんな心境で美術館の入り口をくぐった。