【Q&A】リニア新幹線 なぜ必要なの?新型車両どんなタイプ?

2013.6.18 16:30

 リニア中央新幹線の開業を目指してJR東海は9月から、新しく開発した車両を使って山梨県の実験線で走行試験を始める予定です。

 Q リニア中央新幹線ってよく聞くけど、何?

 A 磁力で車両を浮かせて走る超高速のリニアモーターカーで東京と大阪を1時間強で結ぶ新幹線です。9兆円もの建設費はJR東海が全額自己負担し、来年ぐらいの着工を見込んでいます。

 Q いつ開業するの

 A 2027年に東京-名古屋を先行開業し、最高時速500キロで約40分で結ぶ計画です。大阪までの延伸は45年を目指しています。

 Q なぜ必要なの

 A 列島の大動脈を50年近く走ってきた東海道新幹線の老朽化への備えに加え、大地震や災害時のバイパスとしての役割が期待されます。

 Q ルートや駅の場所は決まったの

 A 神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知、三重、奈良を横断する計画で、1駅ずつ設置します。現在の品川、名古屋、新大阪駅にリニアのホームを併設するほか、おおよその候補地が公表されていますが、三重と奈良は白紙です。全席指定の予約制なので、駅は切符売り場のない簡素な造りになりそうです。JR東海は工事費を安くし、運転時間も短縮したいため、南アルプスを東西に貫通する、より直線的なルートを検討中です。

 Q リニアモーターカーはどうやって走るの

 A ガイドウエーと呼ばれる軌道の側壁にコイルを設置し、電気を流してN極とS極の磁界を発生させます。車両に付けた超電導磁石との間で引き合う力と反発する力が起き、これを利用して車両は進みます。

 Q 地震への備えは大丈夫?

 A U字形のガイドウエーを約10センチ浮上して走るため、脱線事故は起きません。車両が弾みで左右どちらかにずれても、コイルとの吸引力と反発力で、常に真ん中に戻る仕組みになっているといいます。

 Q 新型車両はどんなタイプ?

 A L0系と呼ばれる営業運転を想定した車両で、これまでの実験車より客室を広くし、乗り心地を良くしました。指令室から遠隔制御し、運転士が必要ないため、先頭部に窓はありません。仮に16両編成にすると、約1000人が乗れます。

 Q 実験線では何をするの

 A 総延長42.8キロになるので、従来より長い時間、500キロで試験できます。技術にさらに磨きをかけ、中央新幹線実現に生かすことにしています。

 ≪全席指定で「駅の窓口」なくなる?≫

 切符売り場がないなど「簡素すぎる駅」と話題を呼んでいるリニア中央新幹線の中間駅について、JR東海の山田佳臣社長は「お客さまには絶対に不便を掛けない」と強調している。

 5月に発表した山梨、長野、岐阜3県の駅舎像は「効率性と機能性を追求したコンパクトさ」を特徴としている。リニアの座席は全席指定で、事前予約制。切符売り場や待合室はない。

 山田社長は、2027年の開業時には「(ネットの)通信手段を介して切符をやりとりするようになる」と述べ、切符売り場が不要となることを指摘した。営業や販売の制度を検討して、体の不自由な人への対策も講じると説明し、「昔風の駅の窓口は意味をなさないのではないか」と強調した。

 リニアの駅舎をめぐっては、山梨県の横内正明知事が簡素な施設に疑問を呈したほか、インターネット上で賛否両論の意見が交わされている。(SANKEI EXPRESS)

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