【CAのここだけの話♪】〈ランニングウェアが必需品〉フライト用バッグの中身、覗いてみませんか?
SankeiBizの読者の皆さんにだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第39回はフィンランド系航空会社に日本人CAとして乗務1年目の小澤瑳也伽がお送りします。
CAのイメージとというと、キャリーバッグを転がしながら空港内を歩く姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。世界中を飛び回るキャビンクルーのバッグの中には一体何が入ってるか気になったことはありませんか?
乗務したての頃の私はフライト先で何が必要かわからず、まるで1週間の旅行に行くようにパンパンに物を詰めていましたが、先輩からのアドバイスを参考にしたり、回数を重ねるうちにフライトやステイの過ごし方のサイクルを掴み、有効なアイテムを身軽にパッキングができるようになりました。
今回はそんな私のキャリーバッグの中身をご紹介したいと思います。
1.<サプライズ好きクルーの必需品?>ポストカード、シール、手紙
お客様にお渡しするメッセージカードとシールは何種類か常備してあります。ヘルシンキには可愛いポストカードがたくさん売っているので、休日に雑貨屋さん巡りをする際などに集めています。
日本のシールの種類は豊富で、外国人のお客様に喜ばれるお寿司や桜のシール、誕生日やハネムーンのお客様にはバルーンやケーキのシールなど、シチュエーションを考えながら選ぶのがステイの楽しみのひとつでもあります。なるべくカラフルでインパクトのあるものを選ぶように気をつけています。
以前乗務したフライトでは、ステイ中にヘルシンキで孫が生まれたクルーがいて、「帰国して孫を抱っこするのが本当に楽しみ」とフライト中とても嬉しそうに話していました。キャビンクルーはサプライズや人を喜ばせることが大好きな人ばかり。この時ももちろん、おめでたい話を逃さず聞きつけ、寄せ書きした手紙とステイ先で買ったプレゼントを用意してフライト後にサプライズを実行。 彼女は泣いて喜んでくれました。
クルーの誕生日だったり、こういった“突然のイベント”の際にもとても役に立っています。
2.<乗務には欠かせない>エプロン、靴、グローブ
よくお客様に、「上空でもヒールで仕事しているの?」と聞かれるのですが、弊社ではヒールのない靴での乗務も可能です。私は気持ちを切り替えるためにも地上ではヒール、離陸後にフラットに履き替えるようにしています。
またサービスをする際のエプロンも必需品です。グローブはドアを扱う際は必ず着用する規定です。緊急時に備えて離着陸の際も着けています。フィンランド はこれからとても寒い冬がやってくるので防寒用としても役に立つアイテムです。
3.<時差ボケ対策にも効果的>エッセンシャルオイル
早朝フライトもあれば深夜フライトもあるCAの睡眠時間はとても不規則。体が資本の私たちにとって、質の高い睡眠は非常に重要です。
乗務し始めた頃はひどい時差ボケに悩み、フライト後なかなか寝付けないことが多かったのですが、先輩に勧められてエッセンシャルオイルを使ってみたところとても深い眠りにつけるようになり、以来、私の生活には欠かせないものとなっています。
体調や気分に合わせて使い分けていますが、ステイ先に必ず持っていくのはラベンダーオイルです。寝る前に首の後ろに付けてマッサージしたり、お湯の入ったコップに数的垂らしてベッドのそばに置き簡易ディフーザーとして使ったり、ホテルのお風呂に少し垂らしたり使い方は様々です。
ラベンダーにはリラックス&快眠効果があり、時差が6時間(冬場は7時間)あるフィンランド~日本のフライト後の時差ボケ対策には欠かせません。
また風邪っぽいなと感じたり、フライトで耳や鼻が詰まりそうな時はティーツリーオイルがおすすめです。
4.<体の中から健康に>お弁当&水筒
健康な体はバランスのとれた食事から。弊社ではフライトに自分の食事を注文することも可能ですが、基本は自炊してお弁当を持っていくように心がけています。忙しいフライト中でもサッと食べれる簡単なものが多いです。
また機内は気圧も低くとても乾燥するので水分補給も欠かせません。日本へのフライトでは水を最低2リットル飲むことを目標にしています。
そのために自分の飲んだ量がわかるよう、また環境のためにも水筒を持ち歩いています。自分がお客さんとして乗る際にも携帯する旅の必須アイテムのひとつです。
5.<運動でフライト後のリフレッシュ>ランニングウェア
フライトの疲れを取るには運動が一番。ランニングが趣味なのでジムウェアとシューズは必ずバッグに入っています。ステイ先のホテルのジムはもちろん、天気のいい時は外で走り新鮮な空気を吸うことで長いフライトの疲れも一気になくなり夜はぐっすり眠れます。
私は特に国内線の乗務で訪れた先でランニングするのが好きです。フィンランドは自然が多く、世界一空気が綺麗な国としても知られています。市内からすぐに森にアクセスできるので、気軽に自然と触れ合うことができます。鳥の囀りや風でなびく木の葉の音を聞きながらのランは本当に気持ちがいいので、フィンランドにいらした際はぜひ外をランニングしてみてください。もしかすると野生の動物に出くわすなんてこともあるかもしれないですよ。
6.<気分も上がるマリメッコ>機内用ポーチ
機内用ポーチはフィンランドを代表するブランド、マリメッコで購入。ポップでレトロな柄で使うたびに気分も明るくなりますし、この柄は人とかぶらないところもお気に入りです。この形は意外にもたくさん物が入るところも気に入っています。
中にはハンドクリーム、髪をまとめる際に使用するマトメージュのほかに、CA必需品(?)ともいえるおいせさんお清め塩スプレーも。気分転換になるのでフライト後にシュッと体に吹きかけています。コンタクトレンズを使用しているので、乾燥しやすい機内では目薬も手放せません。
化粧直しは最小限にとどめたいので、ポーチに入れるメイク用品はあぶらとり紙とCCクリーム、リップクリーム、口紅の4点のみ。
よくお客様に崩れない機内メイクの質問をされますが、メイク前に保湿をしっかりすることと、薄化粧を心掛けることが大切だと思います。
また、フライトで靴が汚れてしまった際にすぐに磨けるようインスタント靴磨きも必ず持ち歩くようにしています。
ほんの一部ではありますが、私のキャリーバッグの中身を紹介させていただきました。これからの旅行の際に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
【プロフィール】小澤瑳也伽
こざわ・さやか 学習院大学在学中にカナダのバンクーバーへ留学し、卒業後に中東系航空会社に入社。1年9カ月の乗務の後フィンランド系航空会社に転職。現在はフィンランドに在住し、日本人客室乗務員として日本線とヨーロッパ線、フィンランド国内線を担当。趣味は旅行、ピラティス、ランニング。
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このコーナーはエアソルに登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。内容は随時更新します。エアソルはPR、商品開発、通訳、現地リサーチ、ライター業務等、現役CAの特性を活かせるお仕事を副業としてご紹介しています。
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