【CAのここだけの話♪】CAが教える! 空港や機内の免税品をさらに“お得”に買うコツ

 
オランダ系航空会社の日本人CAとして乗務7年目の岡本あやのさん。CAを続けながら、東京の離島・神津島でB&Bを経営する「旅する女将」としても奮闘中(岡本あやのさん提供)

 SankeiBizの読者の皆さんにだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけの話」。第41回はオランダ系航空会社の日本人CAとして乗務7年目の岡本あやのがお送りします。

 待ちに待った海外旅行! 海外出張! チェックインも済ませ、出国審査を出た後は、搭乗時刻まで制限エリアをぶらぶら…。と、そこにあるのが「免税店」です。みなさんは免税品、よく買いますか? そして機内免税品は買ったことありますか?

 今回は、これまであまり気にしていなかったかもしれない…という方にも、免税店をお得に利用できる情報をお伝えします!

免税店には何があるの?

 言ってしまえば、何でもあります! 免税という点でお得に買えるものだと、お酒、タバコ、ブランド品、化粧品(特に外国ブランド)などが挙げられます。その他にもお土産品や電化製品など様々な物が並んでいます。

 ハブになっているような大きな空港では免税店も大きく、取り扱う品数も多いので、時間潰しにぶらぶら歩くにはもってこいです。ただし、夢中になりすぎて飛行機に遅れないように!

免税品お得情報(1)ブランド品はセット売りが狙い目

 免税品で特に注目していただきたいのが海外ブランドの化粧品です。中でも、デパートなどではあまりないセット販売品がお得です。

 例えば、女子の定番「ロクシタン」のハンドクリーム(30ミリリットル)は、日本の街中のショップで買うと1本1512円、3本セットでも4104円。ところが、成田空港の免税店では6本セットで6200円です(価格はいずれも2018年11月現在)。 「JAL DUTYFREE免税品事前予約サイト」に掲載の国内価格は9072円ですので、まとめ買いでかなりお得になりますね!

 さらに個包装されているので、プレゼントやお土産にもぴったりです。

 普段はコスメ売り場には立ち入りにくい男性のみなさまも免税店なら入りやすいですし、彼女や職場の女性にもきっと喜ばれる品をお得にゲットできるのではないでしょうか。

 また大きな空港には、化粧品に限らず、バッグやスカーフなどをはじめとしたブランドショップも入っています。街中のショップでは免税処理をしても課税分全額が返金されない場合があり、空港の方がお得にお買い物ができるということになります。ただし、空港の免税店の多くは店舗規模が小さく、街中のショップと同じ品揃えでないことがあるので注意が必要です。

免税品お得情報(2)為替レートを上手に活用

 免税品は税金がかからないので、税金による値段の差が生じないため、為替の変化が商品の値段にそのまま影響します。為替がある程度安定すると値段の調整がなされるようですが、特に急激に変化した後は為替によってお得になることもあります。

 例えば、先ほどの例で比べると、同じロクシタンのハンドクリーム6本セットが成田空港では6200円、お隣韓国のロッテ免税店では57USドル(約5765円)で販売されています(2018年11月現在)。少しだけではありますが、同じヨーロッパからの商品であっても韓国のほうが日本より安くなっているようです。

免税品お得情報(3)マイルカードで割引

 国内の空港、または一部の韓国の空港などでは、ANAやJALマイルが貯めることができます。また、それぞれのクレジットカードを利用すると、5%~10%のカード割引が適応されます。これらの割引は利用する便に関係なく利用できます。

 例えば、デルタ航空を利用してグアムへ行くときに、空港ターミナル内の「JAPAN DUTY FREE」でJALカードで支払いをすれば割引を受けられるということです。

 どのカードで割引が適用されるかは、各店舗で異なりますが、店舗内に大きく貼り出されていますし、わからない場合は店員さんに尋ねてみましょう。

免税品お得情報(4)「予約」のほうがラインナップ豊富

 もっと計画的に、欲しいものを確実にゲットしたいあなたへお勧めしたいのが、免税品の予約購入です。

 例えば、成田空港最大の免税店Fa-So-Laが運営する免税品予約サイトでは、海外出発の1カ月前~2日前の12:00までにサイトから予約をすると、空港で予約した商品を受け取ることができます。

 空港内でお目当ての商品を探し回る必要もないので、出発までの時間をより有意義に過ごせますね。

 商品のラインナップや取り扱いブランド数も予約購入の方が多いという点も魅力的です。さらに、代理での受取りも可能なので、海外出張予定の旦那様や彼氏に事前にお願いすることができるんです! 愛用品を免税価格で手に入れるチャンスですね。

 買い物なんて面倒…そんな男性陣も受け取るだけなら気軽にできるのではないでしょうか?

地上より安い? 機内の免税品

 みなさん、機内で免税品を買ったことはありますか? え? あれを買う人いるの? っという声もチラホラ聞こえてくるのですが…。日本の路線に限って言えば、みなさまホームへ帰る便でお買い物をされる方が多いようです(日本人のお客様は海外発日本行き、外国のお客様は日本発海外行きの便)。

 見逃せないのは、機内の方が安い場合があるという情報です!

 例えば、KLMオランダ航空の機内免税品では、先ほどのロクシタンのハンドクリーム6本セットが39ユーロ(約5029円)で販売されています。この場合、ユーロ建てなので為替の影響は受けますが一番安いということになります(2018年11月現在)。

 機内免税品販売では頻繁に割引キャンペーンが行われていたり、機内でしか買えない商品や、エアライングッズも販売されています。

 ただし、機内免税品の搭載数には限りがあります。例えばお土産にチョコレートを30個というのは難しいでしょう。どうしても欲しい商品がある場合は、早めに客室乗務員に声をかけましょう。機内販売でも、出発前に予約注文できるサービスがある場合もあるので、事前に確認するのも賢い方法かと思います。

免税品の注意点 お得だからと買いすぎは禁物

 お得な免税品、たくさんお買い物したくなる気持ちはあるのですが、注意点が大きく分けて2つあります。

 (1)液体物の機内持ち込み制限

 ひとつは液体物の持ち込み制限です。特に乗り継ぎ便がある場合で、荷物を最終目的地まで預ける場合は100ミリリットル以下の容器に入り、1リットル以内の透明のジッパー付きビニール袋の中に収まらない物に関しては、乗り継ぎ空港の保安検査で没収されてしまう場合があります。

 この場合、液体物(お酒、香水、ハンドクリームなど)は乗り継ぎの空港で購入するのがベターです。

 (2)免税範囲

 もうひとつは、海外旅行者には免税範囲があるということです。持ち込み禁止ということではありませんが、例えば、日本へ帰国する際に購入したタバコは成人1人につき200本を超えた分に税金が課せられます。日本の免税範囲の詳しい情報は税関ホームページの「海外旅行者の免税範囲」を参照してください。

 また、国によっても免税範囲が異なるので注意しましょう。

まとめ

 いかがでしたか?

 今まで特に免税品に興味がなかった人も、気にはなっていたけど実際にお得なのかわからず購入したことがなかった人にも、免税品の魅力が伝わりましたでしょうか?

 免税店や機内販売では様々な通貨が利用可能なので、余った現地通貨を使い切る絶好のチャンスでもあります。

 今回紹介したロクシタンのハンドクリームもここ数年不動の人気商品。特にヨーロッパ便で出張予定のある方、プレゼント候補にいかがでしょうか? せっかくの海外旅行、もっと賢くお得にお買い物をしてみませんか?

 【プロフィール】岡本あやの

 おかもと・あやの 名古屋生まれ。これまでの訪問国数は約40カ国150都市。高校生の時に夢を「アメリカ留学・CAになる・宿を作る」の3つに決め、全てを叶える。現在は外資系CAを続けながら、東京の離島・神津島でB&B「みんなの別荘ファミリア」を経営する「旅する女将」として奮闘中。

 このコーナーはエアソルに登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。内容は隔週月曜日に更新します。エアソルはPR、商品開発、通訳、現地リサーチ、ライター業務等、現役CAの特性を活かせるお仕事を副業としてご紹介しています。

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