【試乗インプレ】アリ? ナシ? 高級ブランドに1リッター3気筒エンジン アウディ・Q2 (1/5ページ)

  • 試乗初日、その名のとおり一面霧に覆われた霧ヶ峰高原で。アウディ・Q2
  • 軟質樹脂はダッシュボード上部のみだが、硬質樹脂部分と色味やシボの具合を揃えてあり、統一感、精密感が高い。アウディ・Q2
  • 1.4リッターの4気筒エンジン搭載を前提にしているため、ボンネット内はスカスカ。アウディ・Q2
  • バーチャルコクピットと名付けられたアウディの全面液晶メーターパネル。ナビ、走行情報などすべてのモードでメーターのサイズを大小に切り替え可能。液晶の解像度が高く、ドット、ジャギーが目立たない滑らかな表示が印象的。アウディ・Q2
  • 鮮やかなイエローが霧に煙る風景に浮かび上がる。アウディ・Q2
  • 日暮れ時の諏訪湖畔にて。アウディ・Q2
  • 2日目の好天を祈りつつ…。アウディ・Q2
  • 晴れました!中央道諏訪湖SAにて。アウディ・Q2
  • ビーナスラインの富士見台から諏訪・茅野方面に広がる雲海を見下ろす。アウディ・Q2
  • 標高1600~2000メートルの高原を走るビーナスライン。山岳路ながら、このように視界が開けた場所が多いのが特徴。気分爽快です。アウディ・Q2
  • まさに360度パノラマ。アウディ・Q2
  • アウディ・Q2
  • 標高2000メートルの美ヶ原高原にて。アウディ・Q2
  • 画面奥に見えるのは浅間山。アウディ・Q2
  • なんか四角くなってない?が第一印象。アウディ・Q2
  • やはりところどころ「角」が目立つ。アウディ・Q2
  • コンパクトSUVだが、ホイールベースは長い。アウディ・Q2
  • 車体色にかかわらず、Cピラーをシルバーで統一。デザイン上のアクセントになっている。アウディ・Q2
  • 普通のハッチバック的な縦横比に見える。アウディ・Q2
  • ライト、グリルなど輪郭線が角張っている。アウディ・Q2
  • サイドミラーにも角、角、角。アウディ・Q2
  • ドアハンドルは…普通かな?でもエグレが気持ち四角いような…。アウディ・Q2
  • やっぱり四角いよね。アウディ・Q2
  • リアは流れるウインカー。フロントは普通の点滅式。アウディ・Q2
  • 小ぶりながら立体的な造形のリアコンビランプ。アウディ・Q2
  • ナンバープレート上のセンターに、リアハッチのリリースボタンとリアカメラ。アウディ・Q2
  • マフラーは左1本出し。アウディ・Q2
  • シャークフィンアンテナ。アウディ・Q2
  • 日常的に乗り降りして最も「角」を実感するのがココ。ドア上部がナイフでそぎ落としたような形状になっている。アウディ・Q2
  • 後続車からこのCピラーが見えると、Q2とすぐわかる。アウディ・Q2
  • 1リッター3気筒ターボのTFSIエンジン。アウディ・Q2
  • タイヤサイズは前後とも215/55R17。リッターカーとは思えないほどブレーキディスクがデカい。アウディ・Q2
  • 前ドア内張、肘掛け以外は硬質樹脂。アウディ・Q2
  • インパネ全体の印象はいつものアウディテイストで、角張ってはいない。アウディ・Q2
  • サイズたっぷりめ、座り心地硬めで長距離でも疲れ知らず。アウディ・Q2
  • 地図のグラフィックがなかなか美しい。アウディ・Q2
  • 空調ダイヤルのクリック感よし。こういう細かい触感の積み重ねもプレミアム感を醸す。アウディ・Q2
  • 剛性感のあるシフトレバー。ただのスイッチなのだが、マニュアルモードでガシガシ動かしたくなる感触がある。手前はインフォテイメント用コントローラー。ダイヤル上部がタッチパッドになっていて、手書き入力にも対応。アウディ・Q2
  • インパネ右下に灯火類のスイッチ。ペダル類はもう少し右に寄せてほしいところ。アウディ・Q2
  • シルバーの加飾で縁取られたパワーウインドースイッチ。ミラーの操作ダイヤルもクリック感よし。アウディ・Q2
  • センターコンソールのドリンクホルダー中央にはリモコンキー置き場。アウディ・Q2
  • 前席肘掛けは角度調節可能。その下にはUSBジャックと外部音声入力用のミニジャックを装備した収納スペース。肘掛けとの間には隙間があるので、このように収納物を少しはみ出させることができ汎用性が高い。アウディ・Q2
  • アウディ・Q2
  • インパネ中段を左右に走るヘアラインの入ったシルバー加飾。アウディらしいスポーティーさをうかがわせる。アウディ・Q2
  • 後部ドアも仕立ては前席と同じ。アウディ・Q2
  • ホイールベースをたっぷりとったおかげで、後席スペースもCセグメントの標準的な広さ。立ち気味の背もたれに慣れれば、大4人乗りの中距離ツーリングでもいけそう。アウディ・Q2
  • 荷室はどうかな?アウディ・Q2
  • 後席は左4:右6の分割可倒式。荷室床面を上段に設定するとほぼフルフラットに。アウディ・Q2
  • ビーナスラインの富士見台から見えた、富士山の山頂部分。アウディ・Q2
  • 美ヶ原高原から上田市街越しに見える浅間山。ちょうど噴火して入山制限されていた時期だった。アウディ・Q2


 流行りのコンパクトSUV市場にアウディが投入したQ2。角ばったアグレッシブな外観に目を奪われるが、搭載されているエンジンが3気筒で排気量はわずか1リッターというところも注目ポイント。BセグメントのA1に搭載するならともかく、コンパクトとは言えSUVを動かすには少し非力では?という疑問を持ちつつ、白樺高原から霧ヶ峰を経由して美ヶ原につながる長野県のビーナスラインでその性能を試してきた。(文・写真 小島純一)

 アウディQ2の特長は大きく4つ。1つ目は今までのアウディにはなかったポリゴン(多角形)のディテールを多用した角ばったデザイン。2つ目はコンパクトなボディーながら、十分な広さを持つキャビン。3つ目は燃費とパワーを両立した1リッター3気筒エンジン。そして4つ目は300万円を切った価格だ。では1つずつ見ていこう。

 中高年に選ばれないためのデザイン?

 外観デザインでは思い切った変革がなされている。フロントフェイス、ドアパネル上部、Cピラー、リアコンビランプなど、随所に多角形のモチーフが使われ、まさに尖がった仕上がり。張りのある面で構成された従来のアウディ車が醸し出す落ち着きやリッチな趣とは対照的だ。

 特に試乗車の黄色のようなビビッドな車体色がとても映える、若々しいデザインである。キャッチコピーの「型破る」の言葉そのままに、成熟した大人に選ばれるクルマのイメージを塗り替えようとのアウディの強い意志を感じる。

 ただ、好みが分かれる形でもあると思う。私のような中年のおっさんが乗るにはやはり少し気恥ずかしい。あるいは、若年層ユーザーを増やすために、あえて中高年が抵抗を覚えるようなデザインにしているのかもしれない。

 日本向きのジャストサイズ

 アウディはA1、Q5というようにボディーの小さい順に1→2→3→5→7→8とモデルに番号を振っている。Aはセダンとステーションワゴン、QはSUVのシリーズで、Q2はSUVの中では最小モデル。兄貴分のQ3より外形は一回り小さいが、プラットフォームは共通で、ホイールベースはわずか1センチ短いだけ。クラスとしては同じアウディのA3やVW・ゴルフと同じCセグメントに該当する。だから室内は外観から予想するより広く、後席に身長172センチの私が座って膝元にもこぶし1個半ほどの余裕がある。

4気筒と区別がつかないスムースさ