ベトナム、携帯電話・部品輸出が急減 サムスンのスマホ生産中止影響
ベトナムは、韓国サムスン電子のスマートフォン主要生産拠点とされる。同社のスマホ「ギャラクシーノート7」が発火事故によって生産販売を中止し、ベトナムの輸出に影響を与えている。現地紙サイゴン・タイムズなどが報じた。
ベトナム統計総局によると、すでに9月の携帯電話・部品の輸出額が前月比17.4%減の5億600万ドル(約522億円)に落ち込んでおり、さらなる輸出減が懸念される。
携帯電話・部品はベトナムにとって輸出全体の2割に相当する主要輸出品目で、その大半は北部バクニン省とタイグエン省にあるサムスン電子の工場で生産されている。
ギャラクシーノート7が発売開始となった8月は、ベトナムの携帯電話・部品の輸出額が前月比8.4%増の29億1000万ドルだった。しかし、同製品の発火事故を受け、9月は携帯電話・部品の輸出額が急減した。さらに生産中止となったことに加え、消費者のサムスン離れが加速すると見込まれることから、専門家は今後さらに輸出額が大きく減少すると予測する。
サムスン電子は、ベトナムでの携帯電話の生産施設などに向け、これまでに112億ドルを投じるなど、同国を重要な輸出拠点と位置付ける。世界中で販売される同社のスマートフォンの3分の1はベトナムで生産されている。サムスン電子のベトナム法人の輸出額は昨年、327億8000万ドルで、今年は344億ドルが見込まれていた。
ベトナムは、2016年通年の輸出額目標を前年比10%増の1800億ドルとしているものの、今年1~9月の輸出額は前年同期比6.7%増の1280億ドルにとどまる。今後、主要輸出品目の携帯電話・部品の輸出減も予測されるなか、通年目標の達成は困難とみられている。(シンガポール支局)
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