英・メイ首相への批判高まる トランプ氏の公式訪英で「女王が苦境な立場に」 議会は20日に中止請願審議

 

 【ロンドン=岡部伸】イスラム圏7カ国からの入国制限を命じたトランプ米大統領への対応をめぐり、英国でメイ首相への批判が高まっている。訪米で確認した「特別な関係」に配慮して入国禁止措置を速やかに批判せず、トランプ氏の英国招待の方針を堅持しているためだ。国賓としての招待で「エリザベス女王が苦境に立たされた」との指摘も出ている。

 トランプ氏の公式訪問中止を求める請願署名は1月31日には170万件を超え、議会は2月20日に審議を実施することを決めた。欧州連合(EU)離脱の交渉入りを控え、メイ氏に思わぬ逆風が吹いている。

 2006年から10年まで外務次官を務めたリケッツ卿は、英紙タイムズに寄稿し、任期1年目の米大統領が公式訪問に招かれるのは前例がなく、「拙速過ぎた」と指摘。トランプ氏が「異例の名誉を受ける資格」があるかは疑問だとして、「どんな大統領になるか判明するまで控えるよう、女王に助言する方が賢明だった」と述べ、「女王は非常に苦しい立場に立たされた」と批判した。

 批判が高まった理由の一つは、EU離脱交渉を前に対米関係を強化したいメイ氏が、「米国の難民政策は米国の責任」と述べ、トランプ氏招待の方針に即座に異論を唱えなかったことだ。メイ氏はなおも方針を変えておらず、反発が強まる民意の中で苦しい政権運営を迫られそうだ。