【牛肉セーフガードQ&A】発動の背景に“中国の爆買い”予想 国内業者が輸入増
政府が米国産などの冷凍牛肉を対象に発動を決めたセーフガードの背景や影響などについて、Q&A形式でまとめた。
Q なぜセーフガードの発動を決めたのか
A 4~6月の冷凍牛肉の輸入量が前年同期比17・1%増の8万9253トンとなり、伸びを17%とする発動基準(8万9140トン)を上回ったためだ。セーフガードは国内生産者の保護を目的に、関税の引き上げや輸入制限などを行う仕組みで、世界貿易機関(WTO)協定にも違反しないとされている。
Q 輸入が増えた理由は
A 冷凍牛肉の約3割を占める米国産の輸入増が大きい。財務省によると、干(かん)魃(ばつ)の影響でオーストラリア産の価格が高止まりし、米国産の価格競争力が強まっていた。中国が米国産牛肉の輸入再開を公表したことで、今後、中国の業者が米国産を買い付け、値上がりするとの見方が出て、国内の業者が輸入を増やしたようだ。
Q セーフガードの対象になるのは米国産だけか
A 日本が経済連携協定(EPA)を結ぶ国は対象外で、5割超を占める豪州産は適用されない。EPAを結んでいない米国、カナダ、ニュージーランド産などが対象だ。ただ、冷凍だけで生鮮・冷蔵は対象にならないため、関税が引き上げられるのは輸入牛肉全体の2割程度になる。
Q どのような影響があるのか
A 米国産冷凍牛肉は牛丼店をはじめ外食チェーンなどで使われている。一定の在庫は確保しているとみられるが、今後、食材調達や業績に影響する恐れがある。一方、トランプ米政権は貿易赤字の削減に向け、牛肉などの輸出拡大を目指している。秋に予定される日米経済対話でも争点の一つになる見込みだ。(田村龍彦)
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