中国人民銀、仮想通貨発行を検討 「管理者不在」のリスク懸念 取引所停止

 

 中国で「ビットコイン」など仮想通貨を扱う取引所が相次いで売買停止を決めた。当局がコントロールできない「管理者不在」の通貨がもたらす金融面のリスクを懸念、排除に乗り出したためだ。全面閉鎖となる可能性が大きい。半面、政府は先進的な金融技術を重視しており、中国人民銀行(中央銀行)が仮想通貨の技術を応用して同様の通貨を発行し、法定化することを検討している。

 「匿名性があり、国境を越える取引にも使えるビットコインは“地下経済”を支える道具になっている」。20日付の中国共産党機関紙、人民日報は仮想通貨の危険性を厳しく指弾した。

 中国政府が設立した中国インターネット金融協会は13日、仮想通貨の取引所は「わが国では合法との根拠はない」との見解を発表。これを受けて「BTCチャイナ」「火幣網」「OKコイン」の中国三大取引所が14、15日にかけて、仮想通貨の売買を停止する計画を相次いで発表。他の取引所も続々と停止を決めた。

 習近平指導部は5年に1度の党大会を10月に控え、金融の安定維持に躍起になっている。海外への資本流出に目を光らせており、仮想通貨が資産移転に使われたことを問題視したようだ。

 取り締まり強化によって投資家の換金売りが殺到し、火幣網でのビットコイン価格はピークだった9月2日の3万2350元(約55万円)から、15日には半値近くまで下落した。

 中国で仮想通貨取引が完全になくなるかは分からない。中国メディアによると、抜け道を探すかのように個人同士の取引が活発化している。

 一方で中国は、政府公認の電子的な通貨の導入を検討。政府直属の中銀である人民銀が発行、管理すれば、マネーロンダリング(資金洗浄)をはじめとした違法行為を減らし、通貨の供給、流通面での管理も強めることができるとしている。

 人民銀は、ビットコインと同じ「ブロックチェーン」と呼ばれる最新技術の採用も検討。取引データをネットワークでつないだ多数のコンピューターで管理する仕組みで、日銀や欧州の中銀も研究している技術だ。

 9月19日付の人民銀系の中国紙、金融時報は、政府公認での早期発行を期待するとの評論を掲載し「ビットコインなどが国家の通貨発行権に挑戦することは許されない」と断じた。(北京 共同)