共産・志位和夫委員長演説詳報 「軍ではなくて平和外交の力で解決する日本をつくろう」
衆院選投開票(22日)に向けて最後の日曜日となった15日、共産党の志位和夫委員長はJR京都駅前で街頭演説し、「どんな困難があっても市民と野党の共闘の道をブレずに断固として貫く」と支持を訴えた。詳報は次の通り。
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共産党の志位です。選挙戦いよいよ佳境に入ってきた。各メディアが世論調査で「自公の安定多数(244議席)」と書いている。彼らにその結果を与えてはいけない。世論調査が決めるのではない、選挙の結果を決めるのは有権者の皆さんの1票ではないか。自公の安定多数を打ち破る力は2つだ。
1つは、市民と野党の共闘の勝利だ。今度の選挙、全国289選挙区のうち249で野党勢力は一本化して戦っている。ここ京都では6つの選挙区すべてで共産党の候補が市民と野党の統一候補だ。6つの全部で自民党に勝とうではないか。
もう1つは、政党を選ぶ比例代表選挙で共産党と書いていただきたい。この近畿ブロックで4つの議席を絶対に確保して、5つ以上に増やしたい。お願いします。
さて、今度の選挙の焦点はどこにあるか。私はNHKの党首インタビューで「選挙のネーミングをしてください」といわれて、いろいろ考えてこうフリップに書いた。「さよなら安倍政治選挙」。いかがでしょう。今度の選挙は「安倍・自公」政治の5年間の総決算の選挙だ。
この5年間、一つ一つ思い起こしてほしい。憲法をこれだけ、ないがしろにした政権はかつてないのではないか。安保法制」「秘密法」「共謀罪」どれもこれも憲法違反の法律だ。権力が憲法を無視して暴走している。ならば主権者である国民の手で、これを止めようではないか。憲法違反の3つの法律を即刻廃止しようではないか。
国民の民意にこんなに耳を傾けない、民意踏み付けの政権は戦後かつてない。とりわけ沖縄に対する仕打ちは許すわけにはいかない。沖縄県民の皆さんが、選挙で何度も何度も辺野古の新基地は許さないという審判を下しても、耳を貸さず強権につぐ強権。つい先日は、米軍のヘリが、高江の民家の300メートルに墜落した。沖縄県の翁長雄志知事は「沖縄にとってはこれこそ国難だ」と言われたが、その通りではないか。沖縄の問題は国民みんなの問題だ。新しい基地は許さないという審判を下そうではないか。
森友・加計疑惑。きょうもプラカードで「モリ・カケ忘れない」というのを持っている。忘れるわけにはいかない。安倍晋三総理の友達なら8億円の値引きが許されるのか。日本の国は法治国家とはいえなくなるのではないか。
この問題は、党首討論で安倍さんと議論してきた。安倍さんはいろいろ言い訳を言う。いくら言い訳をしても国民の疑念は晴れない。なぜなら2人のキーパーソンを隠しているではないか。1人は安倍昭恵(首相夫人)さん。もう1人は加計孝太郎(加計学園理事長)さん。この2人に代わって、安倍さんがいくら説明しても、そんな間接話法では国民の疑念は決して晴れない。この問題は国会で徹底的にやっていく。昭恵さんに出てきてもらおうではないか。この問題の徹底究明のために力を尽くすことをお約束したいと思う。
皆さん、民意を踏み付けにする、国政を私物化する、こんな政治をこれ以上続けていいのか。安倍首相は今度の選挙を「国難突破選挙」と言っているが、私に言わせれば、安倍晋三さんが総理大臣を続けていることが日本にとっての最大の国難だといわなければならない。市民と野党の共闘の勝利で、そして共産党の大躍進で、安倍政権を退場させ、新しい日本をつくる選挙にしていこうではないか。
安倍政権を退場させた後にどういう日本をつくるのか。共産党は5つビジョンを掲げて、選挙を戦っている。
第一は外交だ。どんな問題も、軍ではなくて平和外交の力で解決する日本をつくろうではないか。北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて許されない。同時に、破滅をもたらす戦争だけは絶対に起こしてはならない。米朝が恫喝し、軍事的緊張が高まることで、当事者たちも、意図に反して、軍事衝突が起こることがある。軍事衝突がひとたび起こったらコントロールできない。戦争になる。その戦争とは核戦争ではないか。このような事態は絶対に回避しなければならない。
共産党は8月に声明を発表し、米朝が直接対話をすべきだとし、働きかけを続けきた。そういう外交努力こそ政治には必要ではないか。経済制裁の強化と一体に対話による平和的解決に知恵と力を尽くす。これが唯一の解決の道であり、日本政府こそそのためのイニシアチブを発揮することを強く求めたいと思う。
安倍政権がやっていることは、逆さまだ。そういう外交努力をしないで、やっていることは軍事の話ばっかり。安保法制を発動して、海上保安庁の艦船が米軍の軍艦に燃料を補給したり、防護したりしている。国民の知らないところではじまっている。とっても危ない。
というのは、トランプ政権は軍事的選択肢を隠していない。つまり、先制攻撃を隠していない。一緒に行動している米軍が先制攻撃に踏み切ったときに、自衛隊も戦争に参戦することになる。日本に全体に戦火が及ぶ。そんなことは絶対に許してはいけない。
北朝鮮問題でも、憲法違反の安保法制戦争法はただちに廃止せよ、このことを強く求めたいと思う。どんな問題も外交の英知で解決する。そのための知恵をしぼって世界に働きかける、共産党はそう考えている。どうか共産党をのばしてください。
第2は経済の問題だ。1%の富裕層と大企業のための政治ではなく、99%の国民のための政治を。これが共産党の経済改革だ。党首討論をやると、アベノミクスがいろんなところで議論になった。安倍首相はいろんな数字をあげて「アベノミクスはうまくいっている」と自慢話ばっかり。しかし、皆さん、アベノミクスのおかげで暮らしが助かったなと思っている人はいませんよね。
私は党首討論で安倍さんに言った。「一番大事な数字を2つ言っていない。1つは働く人の実質賃金。もう1つは家計の所得」。安倍政権のもとで一世帯22万円も減った。経済の一番大事なところではないか。結局、アベノミクスがもたらしたのは、強いものを一層強くする。こんな政治はもう終わりにしよう。私たち共産党は格差と貧困を正す、4つの経済改革を実行していく。
1つは増税の廃止だ。こんな時に増税なんてとんでもない。消費税率10%はきっぱり中止せよ。これを突きつけようではないか。富裕層になればなるほど税負担が下がる。おかしいですよね。その富裕層の優遇税制を正しただけで1兆円浮く。
中小企業の法人税の負担率19%、大企業は12%。おかしいですね。これを正しただけで4兆円浮く。1足す4は5。これだけで出てくるではないか。こっちの道を進もうではないか。アベノミクスで大儲けしている富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革を進めようではないか。
第2は予算だ。安倍首相は消費税の使い道を変えるといっているが、国民の大事な税金は社会保障に手厚く使う。
第3は本当の働き方改革を実行していく。残業代ゼロ法案は断念させる。そしてこの日本から過労死を根絶しようではないか。不正規で働いている人を正社員にする。最低賃金を1500円まであげて、8時間を働けば普通に暮らせる社会を作ろうではないか。
第4は地域経済の振興だ。地域経済を支えているのは中小企業だ。中小企業はすごい力を持っている。ロケットだって、人工衛星だって、新幹線だって部品をつくっている。共産党は1兆円の予算をつけて本格的な中小企業支援に乗り出す。そして農業も、安心して続ける農業をつくり、食料の自給率を大きく引き上げて、本当の食の安全をつくっていこうではないか。この4つの経済改革いかが。どれも当たり前のことばっかりだ。
3つ目は原発の問題だ。原発問題がこの総選挙の大きな争点に浮上してきた。この試金石はどこにあるか。再稼働を食い止めるかどうかにある。
皆さん、国民の5割から6割は再稼働に反対だ。この多数は揺らがない。なぜ揺らがないか。それは私たち国民が福島を体験したからではないか。福島に応援行ってきた。福島では事故から6年半たつのに、6万8000人もの皆さんがふるさとを追われて避難生活を強いられている。家もある、土地もある。畑もある。でも帰れない。6年半帰れない。この現実を見て、国民はもう原発は動かさないと思っているのではないか。再稼働反対はいまや国民の合意になっているのではないか。
安倍政権は、新規性基準に適合した原発はどんどん動かすといっている。世界で一番厳しい基準といっているが、嘘だ。ヨーロッパでは原発がメルトダウンしたときに、それを受け止めるコアキャッチャーという装置がないと原発を動かさない。日本じゃ進めようとしているではないか。原発再稼働は中止して、動いている原発は止めて、原発ゼロにし、再生可能エネルギー先進国をつくろうではないか。その願いを、京都でも再稼働反対を地域の皆さんと5年間、声を上げ続けてきた共産党に託してください。
第4は憲法だ。これも選挙の大争点だ。安倍首相は9条1項、2項を残しつつ自衛隊を書き込むといっている。安倍さんはただあるものを書くだけ、違いは何も起こらないと言う。何も違いがないなら、書く必要はないのではないか。
法律の世界では、あとから作った法律は、前の法律に優先するといわれている。ですから、仮に9条2項に、陸海空軍にその他戦力を保持しないと、これが残ったとしても。後から別の項目で、自衛隊は保持すると書いたら2項が死んでしまう。
しかし、皆さん、9条の命は2項にあるのではないか。これがあるから戦後自衛隊は一人も外国人を殺さず、戦死者を出していない。9条2項が壁になって海外派遣を食い止めてきた。この壁を取り払ってしまったら、海外での無制限の戦争が可能になってしまう。
断固とした審判を下そうではないか。私たちがどうして9条を得たか。あの侵略戦争で、310万人も日本国民が命を落とした。2000万人のアジアの方々が命を落とした。そして、広島、長崎。この惨禍を踏まえて日本は選択した。文明が戦争を滅ぼさなかったら、戦争によって文明が滅ぼされてしまう。だったら戦争を放棄し、全ての戦力を放棄し、平和外交によって国を守っていこう、それが9条の精神だ。この9条を子々孫々に残していこうではないか。
第5に訴えたいのは、核兵器禁止条約にサインする政府をつくろう。核兵器廃絶国際キャンペーンNGO(国際非政府組織)の「ICAN」の皆さんがノーベル平和賞を受賞した。素晴らしいですね。核兵器禁止条約のために命がけで頑張ってきた広島、長崎の被爆者の方々をはじめとする地域社会の取り組みに対する高い評価であり、私は歓迎を述べたい。
こんなときに、唯一の戦争被爆国の日本政府の態度は恥ずかしいのではないか。3月と7月、国連の会議に参加して力を尽くしてきた。演説する機会があったのだが、この議場に日本政府がいないことは大変に残念だ。しかし、被爆者をはじめ日本国民の大多数はこの国連会議を支持している。このことを述べてきた。
この会議が終わった後、後ろの方が空席だった。大きいものが置いてある。折り鶴なんですね。「あなたに一緒にいてほしい」。こう書いてあった。なんでここにいないの? それが世界の声だ。日本政府に核兵器禁止条約にサインすることを強く求める。サインしないんだったら、政府を取り換えようじゃないか。サインをする政府を私たちの手でつくろうではないか。
外交、経済、原発、憲法、核兵器、私たちの立場を話した。これを進める力はどこにあるか。市民と野党の共闘にこそ、その力があることを訴えたい。今度の選挙、メディアは「3極対決」と言っているが、討論会に出ると、3つに分類されて、私が3番目に顔が出てくる。これは違う。「3極ではない。2極対決だ」というのが私たちの考え方だ。だって自民党と希望の党は違いがないではないか。
自民党の補完勢力であることは明らかではないか。ですから、今度の選挙は3極ではなく、2極対決だ。自民公明とその補完勢力VS市民と野党の共闘。これこそが選挙の対決構図だ。
この共闘、何としても成功させたいと願っている。この2年間、野党共闘に取り組んできた。昨年の参院選は、32の1人区すべてで野党統一候補を実現し、11で勝利した。新潟県知事選挙でも勝ったではないか。仙台市長選でも勝った。市民と野党が一つに力を合わせれば自民党を倒せる。
しかし、総選挙直前あることが起きた。民進党が両院総会で、希望の党への合流を決めてしまった。私このニュースを聞いたときには、大変な困難がきたなと感じた。しかし、私たちは共闘を決してあきらめない。全国67の選挙区で私どもの候補を取り下げる決断をした。1年前、2年前から頑張ってきた人を取り下げるというのは私たちにとってつらいことだが、安倍政権を倒す、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す、こういう大局に立ってそういうことを行ったことを評価していただけると幸いだ。
どんな困難があっても、この市民と野党の共闘の道をブレずに断固として貫くのが共産党だ。この党を伸ばすことこそ、日本の政治を良くする一番の道がある。どうか比例には共産党と書いていただくことを広げてください。共産でもいい。志位和夫はダメです。政党名で書いてください。比例は共産という声を広げていただくことを心からお願いします。
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