ミャンマー 現地生産新車、一部免税で需要拡大 右ハンドル車を輸入規制
日本製中古車が主流のミャンマーで、新車に熱い視線が注がれている。政府の輸入規制で日本製中古車が締め出され、需要が新車に移ったためだ。自動車メーカーは商機とみて、現地生産に向け動きだした。
新車販売会が頻繁に開かれる最大都市ヤンゴン。医師のテ・ミン・トゥンさんは6月、中古車からスズキが現地生産するセダン「シアズ」に乗り換えた。販売価格は2450万チャット(約206万円)。「手頃な価格の新車が増えた。保証も充実している」と満足そうに話した。
ミャンマーは2011年の民政移管後、国軍の統制下にあった自動車輸入が開放され、品質評価の高い日本製中古車が普及。日本中古車輸出業協同組合によると、14年には日本から約16万台が輸出され、最大の輸出先国になった。
だが、都市部の道路整備が追い付かず、渋滞は慢性化し事故も増えた。ミャンマーは右側走行のため右ハンドルの日本製中古車が事故の一因とされ、政府は今年から右ハンドル車の輸入を規制した。すると、一部税金が免除される現地生産車の“お得感”が高まり、新車需要が伸びた。
新車販売店協会によると、今年1~6月期の販売台数は前年同期比8割増の約3200台。通年で7500台を見込む。現地生産台数も1~6月期で同3.4倍の1600台に増えた。
13年に現地生産を再開したスズキは、月120台ほど販売していた昨年後半に比べ、今年7月は325台売れた。ヤンゴン郊外のティラワ経済特区に建設中の新工場は来年初めに稼働予定だ。
日産自動車も今年、現地生産の開始を発表し、新工場の用地も確保した。米フォード・モーターも追随する。
各社とも生産規模はまだ小さく、部品は全て輸入に頼る。メーカー関係者は「生産が1万台規模になれば、一部部品の現地調達も視野に入る」と話す。
政府が策定中の自動車産業政策は現地生産メーカーへの税制優遇を含むとみられ、新車業界のさらなる活況が期待されている。(ヤンゴン 共同)
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