【マネー講座】《NISAを学ぶ》(2)〈一般NISA〉年120万円まで投資できる

 

 NISAを使って株式や株式投資信託に投資した場合、投資によって得た配当・分配金、譲渡益が非課税となります。NISAには「一般NISA(2014年に創設された元々のNISA、以下同じ)」、「つみたてNISA」、「ジュニアNISA」があり、それぞれ利用できる人や限度額、対象商品などが異なります。今回は、「一般NISA」について解説します。(大和総研 是枝俊悟)

今年分の申込は締切済み、投資は来年から

 「一般NISA」の口座は日本国内に住む20歳以上の人なら誰でも開設することができます。一般NISAの取扱のある証券会社や銀行などの金融機関で口座を開設することができますが、ある年に一般NISAの口座を開けるのは1人で1つの金融機関だけです。口座開設の際には金融機関にマイナンバ-を提示し、本人確認を受ける必要があります。

 ただし、17年における一般NISAの口座開設手続きは9月30日までで終了しましたので、現時点では(17年12月末までは)、金融機関に「一般NISA」の口座開設申し込みをしても、すぐに口座は開けず、投資を開始するには18年になるまで待つ必要があります。

買付上限は年120万円

 口座開設手続きが完了したら、いよいよ一般NISAの口座で株式や株式投資信託の購入ができるようになります。一般NISAで購入できる株式や株式投資信託の上限(非課税枠)は、1年に120万円までです。

 年間で120万円以下であれば、何銘柄買い付けても、何回に分けて買い付けても構いません。例えば、一度に1銘柄の株式投資信託を120万円買い付けてもよいですし、10万円ずつ12銘柄の株式を買い付けることもできます。

 ただし、非課税枠は株式や株式投資信託の「買付け」の際に使ってしまうので、その年に株式や株式投資信託を売却したとしてもその非課税枠は復活しません。

 例えば、Aさんがある年に一般NISAの口座でB社株式を50万円で買ったとします。この場合、Aさんのこの年の残りの非課税枠は70万円(120万円-50万円=70万円)となります。たとえB社株式をその年に売却したとしても、Aさんのその年の一般NISAの非課税枠の残りは70万円で変わりません。

5年累計で600万円投資できる

 一般NISAの口座で一度購入した株式や株式投資信託は、購入した年から数えて5年目の年末まで、すなわち最長5年間、一般NISAの口座内で持ち続けることができます。一般NISAの口座内で持っている株式や株式投資信託に対して支払われる配当金・分配金は非課税となり(※ただし、株式について配当金を非課税とするには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」とする手続きが必要です)、一般NISAの口座内で持っている株式や株式投資信託を売却した際の譲渡益も非課税となります。

 例えば、非課税枠の上限いっぱいの120万円分の投資を5年間続けた場合は、5年目には累計で(購入金額で)600万円分の株式投資信託が積み上がることになるのです。

 数百万円を株式や株式投資信託に投資できる人は、一度、一般NISAの口座で購入した株式や株式投資信託は(相場における売り時の問題はあるものの)なるべく長く持ち続けるようにした方が税制上は有利と考えられます。

 このように、一般NISAは株式や株式投資信託をなるべく長く保有するよう促す制度になっています。

非課税の5年間が終わったら

 NISA口座内で購入した株式や株式投資信託を5年目の年末まで持ち続けた場合、その株式や株式投資信託は他の口座に払い出すか、もしくは「ロールオーバー」をするかを選択することになります。

 他の口座に払い出した場合、その株式や株式投資信託は払い出した時点での時価で売って再購入したのと同じ扱いになります。

 例えば、NISA口座で100万円で購入したC社株式が5年目の年末に150万円になっていたとしたら、いったんC社株式を150万円で売ったものとみなし、買値との差額の50万円は非課税となります。その上で、再度C社株式を150万円で購入したものとみなされますので、その後、C社株式を150万円より高い金額で売った場合には、150万円との差額について約2割の税金がかかります。

 「ロールオーバー」は一般NISAの口座において株式や株式投資信託を持てる期間を延長する手続きのことです。たとえば、18年に購入する株式や株式投資信託は5年目の22年の年末まで一般NISAの口座で持ち続けることができますが、「ロールオーバー」の手続きを行えば、もう5年間、一般NISAの口座で持ち続けることができます。ただし、ロールオーバーする株式や株式投資信託の2022年末の時価の分だけ、23年分の非課税枠を使ってしまいます。22年末の時価が120万円を超えていてもロールオーバーは認められますが、23年の非課税枠は使い尽くしたものとみなされ、その後、一般NISAの口座で株式や株式投資信託を買い付けることはできなくなります。

個別株投資に興味ある人、年40万円超投資できる人は「一般NISA」を

 20歳以上の人が使えるNISAは「一般NISA」のほかにも「つみたてNISA」があり、どちらを使うかは選択制です。個別の株式への投資に興味がある人や年40万円を超える金額の投資ができる人は「一般NISA」の利用をおすすめします。

他方で、これまで一度も株式や株式投資信託を購入したことがない人や、投資できる金額が年40万円以内に留まる人は「つみたてNISA」の利用をおすすめします。「つみたてNISA」については次回解説します。

(※マネー講座は随時更新。次回も「NISAを学ぶ」をテーマに掲載します)

【プロフィル】是枝俊悟(これえだ・しゅんご)

大和総研金融調査部研究員
2008年大和総研入社。証券税制を中心に、税・社会保障制度等の分析を行う。著書に、『NISA、DCから一括贈与まで 税制優遇商品の選び方・すすめ方』(2016年、近代セールス社)など。

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