賃上げ減税、事業承継促進など検討 自民税調 「生産性革命」関連税制を議論

 
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 自民党税制調査会は27日、小委員会を開き、2018年度税制改正に向け、安倍晋三首相の看板施策である「生産性革命」に関連する税制の議論を本格化した。賃上げや設備投資に積極的な企業を減税する一方、消極的な企業を実質的に増税する案を検討する。高齢化が進む中小企業の経営者の代替わりを促す税制も拡充し、増加する廃業に歯止めをかけ、日本経済の活性化につなげる狙いだ。

 生産性革命に関連した税制では、首相が要請している3%程度の賃上げの実現に向け、賃上げ総額の一定割合を法人税から差し引ける「所得拡大促進税制」の期限を17年度末から延長した上で、減税幅を高め、実質的な負担率を下げる。

 このほか、生産性を高める設備投資やサイバーセキュリティー対策を実施した企業に対してはさらなる税優遇措置を設ける方針だ。

 一方で、収益を上げながら、賃上げや設備投資に十分振り向けていない企業に対しては、政策目的に沿って税の優遇を与える「租税特別措置(租特)」の対象外とする案も検討。“アメとムチ”によるメリハリの効いた政策で、賃上げと設備投資を引き出す狙いだ。

 国内企業数の約99%を占める中小企業向けの税優遇措置は一段と手厚くする。

 経営者の高齢化が進む中小・零細企業の事業承継を支援するため、相続税などの納税猶予を受けられる「事業承継税制」を抜本的に見直し、18年度から10年間を特例として税制上の優遇措置を拡充する。事業を引き継いだ後の5年間は平均8割の雇用を維持する条件の撤廃などを検討する。

 中小企業の設備投資を促すため、生産性の高い機器を購入した企業の固定資産税を3年間ゼロにする方向で調整。M&A(企業の合併・買収)に取り組む中小企業の税負担を軽減する制度の創設も検討する。

 第2次安倍政権発足時に37%だった法人実効税率は18年度には29.74%まで下がる。一方で高所得者向けの所得税増税が検討される中、一段の企業向けの優遇措置には批判が避けられず、与党税調には丁寧な議論が求められる。

 ■2018年度税制改正の主な企業向けの検討項目

 ・3%以上の賃上げを行う企業の法人税の軽減。社員教育や訓練を増やした場合は軽減幅を拡大

 ・賃上げと設備投資が積極的な企業は減税し、消極的な企業は実質的に増税

 ・高齢化が進む中小零細企業の経営者の世代交代を促す事業承継税制の拡充

 ・中小が新規購入した機械の固定資産税を3年間ゼロ

 ・企業のM&Aに取り組む中小企業の税負担を軽減

 ・サイバーセキュリティー対策と設備投資の両方を行う企業の法人税の軽減