黒田東彦総裁初の「動きなき1年」…日銀、緩和政策を維持 金融政策決定会合

 
日本銀行の黒田東彦総裁

 日銀は21日、年内最後の金融政策決定会合を開き、物価上昇率2%の目標まではまだ距離があることから、短期金利をマイナス0.1%とし、長期金利を0%程度に抑える現行の金融緩和策の継続を賛成多数で決めた。物価上昇傾向は維持されているとして、追加緩和は見送った。黒田東彦(はるひこ)総裁が平成25年に就任してから、初めて緩和策の見直しがない年となった。

 国内景気は好調な海外経済を背景に、内需も堅調に推移しており「緩やかに拡大している」との景気判断は維持。設備投資は「緩やかな増加基調にある」から「増加傾向を続けている」に上方修正した。黒田総裁は同日の記者会見で、「一貫した金融緩和政策が功を奏して現在の経済状況になった」と成果を強調した。

 ただ、肝心の物価は0%台後半で思うように上がっていない。決定会合では片岡剛士(ごうし)審議委員が、消費税増税や米国景気後退などのリスクを考慮すると、「31年度ごろ」としている物価目標の達成時期を「30年度中」に前倒しすることが望ましいとして、「10年以上の国債金利を幅広く引き下げるよう、長期国債の買い入れを行うことが適当」と唯一反対票を投じた。