EU離脱の金融移転に先手 ルクセンブルクで英伝統の食料雑貨店

提供:ブルームバーグ

 かつてロンドンの金融業界で働いていた元ブローカーの2人がルクセンブルクで、英国の欧州連合(EU)離脱に備える昔ながらの商売を思いついた。

 2人は英国人のマーク・ホリス氏と事業上のパートナーであるアイルランド人のジョン・ヘファーナン氏で、食料雑貨店を設立した。その目的は、英EU離脱に伴い英金融街シティーからルクセンブルクに拠点を移す金融業界人に紅茶のヨークシャー・ティーのほか、パンに塗ったりして食べる褐色の栄養食品マーマイトなど、英国でおなじみの食品を安定供給することだ。

 ホリス氏は「開店して数週間だが、既に何百人もの人々がやってきた」と語る。同氏が1997年に妻とロンドンから移住したルクセンブルクは、英国のEU離脱に直面する複数の保険会社やファンド、銀行からEU域内の新たな中核拠点に選ばれている。

 米保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)やブラックストーンをはじめ、JPモルガン・チェースも一部バンカーをロンドンからルクセンブルクに移す予定。

 ホリス氏は、英国民のEU離脱選択は「完全に間違った決定だと思う」と語るが、それによって「さらに顧客がもたらされる可能性がある」と指摘。首都近郊のストラッサンにある店舗は、10月下旬のハロウィーン直前に初の顧客を迎え、クリスマスも近づく中で繁盛しており、英国の伝統的ソーセージやベーコン、クランペット(パンの一種)が売れ筋商品という。(ブルームバーグ Stephanie Bodoni)