値動き「乱」から一転「昇」の東京株 16連騰も年間通じリスク見え隠れ

 
東京証券取引所

 歴史的な株高に沸いた2017年の東京市場。年後半には、日経平均株価が歴代最長の16営業日続伸となったほか、バブル経済崩壊後の終値最高値を更新。1月に就任したトランプ米大統領の政策運営や欧州の政治リスク、北朝鮮を取り巻く情勢の緊迫化など、海外発の懸念材料が揺さぶりをかけたが、株や為替の値動きは総じて堅調に推移した。

 1位は「昇」-。資産運用会社スパークス・アセット・マネジメントが行った意識調査で、17年の日本株相場を表す漢字を聞いた結果だ。2位は「上」、3位は「高」と、株高を連想させる漢字が並んだ。15、16年は、ともに「乱」が1位だったのとは対照的だ。

 世界経済の好調という追い風の中、衆院選で自民党が大勝し「アベノミクス」が継続するとの安心感が広がり、平均株価は10月に16連騰して歴代最長記録を約56年9カ月ぶりに更新。好業績を背景に日本株は割高感に乏しいとの見方から、海外投資家のマネーが流入し、急ピッチで上昇した。

 日銀が金融緩和策の一環として進める上場投資信託(ETF)の買い入れも存在感を高めた。日銀は16年7月にETFの買い入れを従来の約2倍の年6兆円に拡大したが、17年はこれが通年で寄与し、株価が下がりにくい一因になった。

 ただ、リスク要因がなかったわけではない。年間を通じて注目されたのが、トランプ米政権の動向だ。米国のダウ工業株30種平均は、トランプ氏の就任直後の1月25日に初めて2万ドルを突破。だが、イスラム圏7カ国からの入国を制限する大統領令に伴う混乱、医療保険制度改革(オバマケア)の見直し頓挫、ロシアとの関係をめぐる疑惑などが相次ぐと、東京市場でもリスク回避の円買い・日本株売りにつながった。

 選挙イヤーだった欧州では、フランス大統領選で極右「国民戦線」のルペン氏が決選投票に進んだが、欧州連合(EU)との協調を訴えたマクロン氏が圧勝。前年に波乱を呼んだ英国民投票や米大統領選のような「まさか」は免れた。北朝鮮によるミサイル発射などの挑発行為も、年後半には金融市場に慣れが生じ冷静な反応が目立った。

 一方、外国為替市場では、円の対ドル相場が膠着(こうちゃく)感を強めた。17年の値動き(高値と安値の差)は29日時点で11円28銭で、15年(10円01銭)以来の小ささ。英EU離脱決定や日銀のマイナス金利政策導入などで歴史的な荒れ相場となった16年(22円70銭)の半分だった。