【太陽の昇る国へ】平和と繁栄のため、構想力ある政治を

 
大和堆周辺海域に出現した北朝鮮籍の木造船=2017年9月中旬(海上保安庁提供)

 □幸福実現党党首・釈量子

 --税制改正の焦点となった所得税改革ですが、年収850万円を超える会社員が増税対象となりました

 衆院選後、増税論議を本格化させた政権のやり方は、後出しジャンケンのようだと思います。政府には、高所得者であれば反発は大きくはないとの判断もあるのかもしれませんが、率直に言って努力した人がバカをみる社会に近づいているのではないかと感じます。

 --賃上げや設備投資を行った企業に対して法人税を減税することや、賃上げなどに踏み切らない大企業には税制優遇を外す決定もしました

 安倍晋三政権は民間への介入を強めていますが、これは内部留保課税に道を開きかねないばかりか、経済成長の原動力たる民間活力を低下させるおそれがあります。政府がなすべきは、民間経営に圧力をかけることではなく、企業が賃上げや設備投資をしやすくなるような環境整備に尽力することのはずです。将来への展望が開けずして、企業側も恒常的なコスト増になるベアには踏み切れないのが実情でしょう。法人実効税率の10%台への大幅引き下げや、消費税の5%への減税など徹底的な減税により民間の自由を広げることで、日本経済の活性化は可能になると確信します。

 --経済面に関し、政府は国内総生産(GDP)の伸びを強調し、「戦後最大のGDP600兆円」目標を掲げています

 決して野心的な数字ではありません。1990年代からこれまで、日本が低成長を続けるのに対し、米国はじめ主要国の名目GDPは2~3倍に伸びています。消費税増税などを実施せず、主要国と同程度の経済成長が実現できていたなら、日本の経済規模は現状の約2倍、1000兆円には届いていたと思います。

 その場合、社会保障問題もここまで大きくはならなかったでしょうし、私たちが訴える、北朝鮮危機に対処するための防衛費増も容易だったはずです。失政失策が国力を弱め、結果として国防面でも危機を招いているといえます。国を強く豊かにするための政策遂行が必要です。

 --さて、北朝鮮に関しては、木造船漂着が過去最多となっています

 木造船が打ち上げられた佐渡島や違法操業により被害を受けている能登半島の小木漁港を視察しました。漁港関係者の方からは、「北朝鮮船が日本の漁場を荒らしているが、彼らは明確な意図をもってきている。「排他的経済水域(EEZ)は断固守る」という意思を国が示さないと、安心して操業できないばかりか、違法操業が常態化し、手遅れになる」とのお話もうかがいました。

 “普通の国”ならば、違法操業する外国船は拿捕(だほ)するでしょう。日本として領土・領海などを守り抜く姿勢を鮮明にすべきです。いずれにせよ、水際の警備強化は急務であり、海上保安庁や自治体、警察、漁協などの連携強化はもちろん、海域の取り締まりも強めるべきです。

 --北朝鮮問題では拉致問題が膠着(こうちゃく)し、被害者の帰国を願うご家族も高齢となり、亡くなられる方も出ています

 拉致被害者5人が帰国されてから15年たちました。鉛色の空を映した海を隔てて、多くの被害者が今このときも救出を求めておられます。自国民の保護、救出は国の責務であり、救出に全力を尽くさねばなりません。

 --先般、トランプ米大統領が安保政策の指針たる国家安全保障戦略を公表し、中国などの脅威に対抗すべく、同盟国との連携強化も掲げました

 中国や北朝鮮の脅威が高まるなか、抑止力向上のため、日米同盟強化は当然であり、日本として防衛力強化も急ぐべきです。防衛省が長距離巡航ミサイル導入を決めたことを批判する向きもありますが、導入は当たり前の判断です。政府は来年、防衛大綱を見直す方針ですが、敵基地攻撃能力保有はもとより、抑止力の抜本的強化のために、「非核三原則」の撤廃、「自衛のための核装備」も進めるべきだと考えます。国民の生命・安全や国益を守ると同時に、この国を地域の平和構築に貢献できる国家とするための外交、安保ビジョンを持ち、政策を展開すべきだというのが、私たちの考えです。

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【プロフィル】釈量子

 しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。