脱“金融危機対応” 米が独走 日銀、大規模緩和継続で周回遅れ
「米景気は好調だ。同時に世界経済も拡大している。こうした状況は久しぶりだ」。米連邦準備制度理事会(FRB)議長を来年2月に退任するイエレン氏は13日の最後の記者会見で、2008年のリーマン・ショック後に実施した危機対応からの脱却を進める自身の金融政策は間違っていなかったと胸を張った。
日米欧の中央銀行による危機対応脱却レースで、FRBは独走を続けている。景気拡大に伴って利上げペースを加速し、今年は3、6、12月と3回実施。10月には量的緩和政策で市場に大量に流し込んだ資金の回収を意味するFRBの保有資産縮小にも着手した。
イエレン氏は「トランプ米政権による巨額減税が今後数年間、景気をいくらか押し上げる」とみている。FRBは景気過熱を防ぐため、来年も3回の利上げを想定する。
次期議長に就任するパウエルFRB理事も、景気の先行きに自信を示し「超低金利政策はもはや適切ではない」と強調する。「金利をさらに幾分か引き上げることを想定している」と述べ、イエレン氏の路線を引き継ぐ意向を表明している。FRBに続き欧州中央銀行(ECB)も量的緩和の縮小を決めた。
一方、日銀は大規模緩和の継続を強調し周回遅れの状況が際立つ。物価上昇率2%の実現を掲げ大規模緩和を始めて5年近くたつが、上昇率は0%台後半で目標の半分にも届かない。黒田東彦総裁は「実現までになお距離があるのは事実」と認め、長期金利を0%程度に抑える現行の緩和策を続ける考えだ。
ただ、超低金利の長期化で財政規律は緩み、収益低下に苦しむ民間銀行からは悲鳴が上がる。金融政策の方向性の違いから米国との金利差が広がって円安ドル高圧力が増せば、日銀は円安へ誘導していると米政権が批判を強める可能性がある。物価2%上昇の実現に向けて日銀は今後も難しいかじ取りを迫られる。
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