越境EC、航空貨物押し上げ アジアで単価大幅増、韓台に恩恵

提供:ブルームバーグ
キャセイパシフィック航空の貨物機=香港国際空港(ブルームバーグ)

 航空輸送貨物量の伸びが2010年以来の高水準となっている。18年も引き続き国境を越えた電子商取引(EC)が広がり、ロードファクター(貨物搭載率)は12年以来の大幅な伸びになる見通しだ。アジアの航空会社のロードファクターとイールド(実収単価。有償貨物1トンの1キロ当たり収入)も大幅な伸びが見込める。

 今後数年間、ECが航空輸送市場の最大の成長ドライバーとなるだろう。これは貨物の事業構成比が高いアジア航空各社の稼働率および売上高を押し上げる要因となる。また、貨物は他の部門よりイールドが高いため、利益にもプラスだ。航空会社は需要に応え得る貨物戦略を進めている。

 17年初め、シンガポール航空は子会社のシンガポール航空カーゴ(SIAカーゴ)を一部門として再統合した。キャセイパシフィック航空は貨物専門の航空会社エア・ホンコンの経営権を取得した。

 中国は国境を越えたECが堅調に増加し、航空会社の売上高とイールドを押し上げている。中国ではネット経由の取引拡大とともに外国製品購入が増加し、16年の越境ECは前年比40%超増加した。調査会社イーマーケターによれば、19年に入っても2桁台の成長率が見込まれる。

 中国をはじめとする世界のネット通販大手は自社で物流部門を抱えるが、物流プロセスと商品配送の多くを提携企業に委ねている。航空会社は新たに貨物へ軸足を置くことで、より大きなシェアを獲得できるだろう。

 商品取引と航空輸送の拡大から最も恩恵を受けるのは、世界のエレクトロニクス・サプライチェーンの一端を担う韓国と台湾の航空会社だ。台湾の中華航空では、売上高の約29%が貨物輸送による。韓国のアシアナ航空が24%、キャセイパシフィック航空が23%と続く。アジアのほとんどの航空会社が貨物輸送能力の増強を進めている。

 航空貨物量は10年以来の高い伸びとなった後、18年にさらに加速する方向だ。3年ぶりに需要拡大ペースが輸送能力増強ペースを上回り、18年にかけてもこの状況が続くと見込まれる。15年から16年にかけては貨物輸送の伸びが見られなかったが、17年は年初から9月までで前年同期を10.5%上回った。

 過去数年の航空増便で輸送能力が増強されたため、イールドと稼働率が抑えられている。しかし、年初から9月までのロードファクターは64.5%と前年同期を3.9%上回り、12年以来の伸び率となった。18年も伸びが継続し、イールド改善に貢献するだろう。(ブルームバーグ Rahul Kapoor)