農村で起業、若者が夢実現 蘇州、初のイノベーション博開催

提供:中国新聞
甘粛省の果樹園ではリンゴのライブ配信通販が行われ、約5時間で60トン以上が売れた(中国新聞社)

 江蘇省蘇州市で先ごろ、第1回「全国新農民新技術創業・イノベーション博覧会」が開催され、農村での起業やイノベーションの成果が多数展示された。「Uターン起業家」が700万人に上る中国の農村は、もはや厳しい農作業に従事する場所ではなく、若者が夢を実現する「新天地」になっている。

 同博覧会には、京東集団や蘇寧雲商集団、アリババグループといったインターネット大手も参加。ビッグデータ技術やスマート物流、農産物オンライン販売サイトなどを展示した。これらの企業は農村での事業展開によって自社の収益を上げたうえ、地方の特産物の販路を開拓してきた。

 そのうち蘇寧雲商は、傘下のネット通販サイト「蘇寧易購」がオンラインで316の「中華地方特産館」を開設し、20万点を超える農産物を販売。オフラインでも2100店余りの直営店をオープンさせ、販売額は60億元(約1040億1420万円)に達し、農民200万人が恩恵を受けた。

 同社の持ち株会社、蘇寧控股集団の張近東董事長は「わが社はビッグデータ技術で農業経営や販売サービスを主導し、需要と供給を結びつけた」と自信を示す。

 博覧会では、農村出身の若い世代の展示もみられた。1980年代生まれの女性、暁雨さんは、勤めていた企業を辞職して北京の郊外、懐柔区懐柔山に帰郷。地元の農産物を全国に販売するネット通販サイトを開設した。山東省青島に住む90年生まれの高●(きん)さんも勤め先を辞職後、オンライン店舗で海産物を販売、30万元近い年収を得たという。

 大学生とみられる若者も多数参加し、農業科学技術イノベーションの成果や、自ら立ち上げた農業IoT(モノのインターネット)、機械管理、農業技術サービスなどの会社を紹介した。

 また、「2017年全国農村創業・イノベーションプロジェクト独創性大会」で優勝した台州緑沃川農業の朱利兵董事長は「スマート植物工場で土を使わない空中栽培などの技術革新を成功させ、数十億元規模の注文があった」と語る。

 政府が進める「大衆創業、万衆創新」(大衆の創業、万人のイノベーション)や「インターネット+(プラス)」といった政策は、今では「三農」(農業、農村、農民)分野でも強力に推進されている。各種新型の経営主体は290万社に上り、韓長賦農業相は「中国の農村は、創業とイノベーションを実現する広大な新天地になった」との見解を示している。(中国新聞社)

●=晶の三つの日を金に