東京五輪・パラに「顔認証」導入 選手ら対象 迅速確認、テロ防止狙う

 

 2020年東京五輪・パラリンピックで、選手や大会関係者が会場に入る際、IDカードに事前登録した顔写真と入場者を自動的に照合する「顔認証」のシステムを導入することが分かった。本人確認を迅速化して円滑な運営を実現するとともに、強固なセキュリティーを確保する狙いがある。IDカードの照合で顔認証を導入するのは五輪で初めて。

 東京大会は国際的な注目度が高く、テロの発生も懸念されており、IDカードの貸し借りや盗難、偽造による不正入場の防止は必須。一方、メディアなどを含めた大会関係者は五輪、パラリンピック合わせて30万~40万人とされ、素早く入場させて会場周辺での滞留を防ぐことが求められていた。

 組織委は大会関係者の速やかな手荷物チェックも検討している。顔認証は一般の観客には適用せず、従来通りチケットや荷物の厳重な確認を実施する。

 導入されるのはNECのシステム。対象にはメディア関係者も含まれ、IDカードに自身の顔の情報を事前登録する。競技会場やメディア拠点では、関係者専用の入場口でIDカードを機器にかざし、読み出したデータとカメラに写った画像を照合する。照合は瞬時に行われ、利用者は歩く速度をほとんど緩めることなく通過できる。

 NECの顔認証精度は世界でもトップクラスとされ、整形したケースや、一卵性双生児でも見分けることが可能という。

 16年のリオデジャネイロ五輪では、東京の組織委が試験的に、メダリストの会見などを開いた「ジャパンハウス」でメディア関係者の入場管理に利用した。

 リオ大会会場の関係者入り口ではIDカードに記録された顔写真を入場ゲートで画面に表示し、警備員らが目視で本人確認する方式を採用。入場に時間がかかり、関係者から不満の声が上がっていた。

 東京大会は7~9月の開催で猛暑も予想され、会場周辺に土地の余裕もないことから、組織委は滞留せずに入場できる手法を検討していた。