ビットコイン、買いか売りか マクロマン「18年に起こらない」8つの予測

提供:ブルームバーグ
仮想通貨をテーマに開かれた講演会の看板にあしらわれたビットコイン・マークのメダル2017年12月8日、モスクワ(ブルームバーグ)

 マクロ経済分析を得意とする“マクロマン”こと筆者は今回のコラムで一風手法を変え、「2018年にこれが起きる」ではなく、「これは起こらない」という予測を8つお届けする。

 米下院混乱リスク

 (1)米国債の逆イールドは起きない 米金融当局による利上げ3回を想定した場合、18年末の10年債利回りは2.75%近辺になると、筆者の予測モデルは示している。出発点を考えれば、2年債利回りが10年債利回りに追いつくほど上昇するとは考えにくい。1990年代終盤の例で2年債と10年債の利回り差が0.5%からマイナスに転じるまでに1年余りかかったことも、多少の安心感を与える。

 (2)中央銀行が世界経済・金融市場のサイクルを狂わせることはない 世界危機後の相場上昇は主に中銀による金融緩和の上に成り立つという通念があるが、実際はそうではない。2017年はG10(主要10カ国・地域)中銀による利下げが皆無だった1年で、そのような年は今世紀でまだ3回目だ。追加の金融緩和という追い風がないのに金融市場はまずまず順調に推移しており、世界の当局は18年、ブレーキを軽く踏むことで現状をしっかり維持できる位置に付けている。

 (3)世界市場のボラティリティー(変動幅)は17年ほど小さくならない 17年のボラティリティーがあまりに低かったため、ここからさらに低くなるのは事実上不可能だ。

 (4)金融市場は米中間選挙シーズンに良い反応を示さない 上院は共和党が恐らく過半数を維持するはずだが、下院ではかなりの混乱(そして不快感)を伴い、勢力が傾くだろう。結果がどうであれ、この政治プロセスを市場は好意的に受け止めない見込みで、それが夏の終わりにボラティリティーをやや高めるだろう。

 (5)中国の金融システムは崩壊しない 中国金融市場の崩壊はよくテールリスクとして挙がるテーマだ。国内総生産(GDP)と対比した債務水準は経済全体で極めて高く、中国が真の市場経済国だったら崩壊の危機に陥っているだろう。だが実際はそうではなく、投資資金の大半は政府のさまざまな部門により、またこれら部門へ分配されている。中国は経済成長の減速および再均衡に取り組む見通しのため、当局は投資資金がしばらく枯渇しないようにしていく公算が大きい。

 英・EUとも譲らず

 (6)新興市場株は先進国の株をアウトパフォームしない 中国の見通しが比較的良好だと前述したが、新興市場株にとって順風満帆の1年になるとは限らない。筆者の予想モデルは、新興市場株が先進国株と同程度のパフォーマンスになることを示している。

 (7)ポンドは英国の欧州連合(EU)離脱交渉に伴う苦痛から解放されない 英政府は移動の自由なしでEU単一市場へのアクセスを保つことを主張し続けているが、EUはその両方を満たすことはあり得ないとして、英国と同様、断固譲らない構えだ。19年3月のEU離脱後1~2年間、現状を維持できる「移行期間」を設定する、というのが筆者の推測だ。このことが、ポンド相場に不透明性というリスクプレミアムを織り込み続けるだろう。

 (8)ビットコインの暴落はない その人為的な要因となりそうなのは当局による規制だが、これまでのところ当局の大半はさほど懸念していない様子だ。いずれ規制に乗り出すだろうが、それは恐らく18年ではない。(ブルームバーグ Cameron Crise)

 キャメロン・クライス氏はブルームバーグに寄稿するマクロストラテジストです。この記事の見解は同氏独自のものであり、投資アドバイスを意図したものではありません。