平成30年産米「減反廃止」で14道県が増産へ 試される価格安定

 
JA全中の中家徹会長(原田史郎撮影)

 農林水産省は17日、平成30年産米から政府の生産調整(減反)が廃止されることを受け、45道府県が設定した生産目標の一覧を公表した。過半数が前年の生産目標を維持する一方、北海道など14道県が増産目標を立て、合計は国が示した全国の需要見通しを超えた。コメ余りによる価格下落を防げるかは、産地と実需者を橋渡しする全国組織を運営する全国農業協同組合中央会(JA全中)の実行力にかかっている。

 生産目標は国が29年まで割り振ってきた生産数量に代わり、東京と大阪を除く45道府県が設定した。農水省が30年産米の全国の需要見通しを29年産と同量の735万トンとしたことに伴い25県が目標を据え置いた。

 算定方式の違いなどから前年産と単純比較はできないが、コメの生産量が多い北海道や新潟などが増産目標に転じ減産目標を立てたのは6府県にとどまった。各道府県の目標を合計すると国の需要見通しを超える。減反廃止は主食用米の消費量が年間8万トンペースで減少する中、農家に自主的な経営を促すのが狙いだが、過剰生産になれば米価の下落を招くことになる。

 29年産の主食米の収穫実績は730万6千トンで、3年連続で国の生産目標を下回った。一方で今回、目標を据え置いた県の一部からは「減反目標を達成するために過剰に減らし過ぎていた作付けを回復させたい」との声もあり実際に目標が守られるかは見通せない。

 JA全中の中家徹会長は17日の記者会見で「需給と価格の安定は最優先だ」と述べた。JA全中は昨年12月、コメの需要が拡大している外食産業と産地をつなげる全国組織を立ち上げた。競争が激化している回転ずしチェーンなどにうまく、コメを供給できるかが、米価安定のカギになりそうだ。