米政府閉鎖、時間切れ迫る きょう午後に予算案採決 官庁は対応準備
【ワシントン=塩原永久】米政府予算の期限切れによって20日から一部の政府機関が閉鎖される恐れがある問題で、トランプ大統領や与党・共和党幹部は19日、閉鎖回避に向け野党・民主党とぎりぎりの協議を続けた。ホワイトハウスは政府閉鎖にともなう行政サービスへの影響を最小限に抑える対処方針を示した。
共和党は2月16日を期限とする新たなつなぎ予算案を通し、民主党との不法移民対策などの争点は継続協議とする方針だ。予算案は下院で18日に可決。上院では19日夜(日本時間20日午後)に採決を行う。
民主党は予算案と抱き合わせで、子供のころ親に連れられ不法入国した若者の救済策などを求めている。
マルバニー行政管理予算局長は19日の記者会見で、民主党側に歩み寄りがみられないとして「とても驚いている」と述べた。
前回の2013年の政府閉鎖では博物館や公園などが運営休止となり、観光業を中心に影響が広がった。マルバニー氏は、予算案が不成立となっても、行政運営への影響を可能な限り低減させる準備を進めていると明らかにした。
米メディアによると、政府閉鎖の影響として、社会保険給付の手続きの遅れや感染症の監視業務の停止、一部の博物館の休館などが予想されている。
トランプ大統領は19日、民主党のシューマー上院院内総務と会談し、不法移民対策などで協議した。シューマー氏は会談後、「進展があったが、合意に至らない点も残った」と述べた。
トランプ氏は週末をフロリダ州で過ごす予定だったが、急きょキャンセルした。
予算通過の焦点となる上院(定数100)は可決に60票が必要。51議席にとどまる共和党としては、予算案の可決に民主党議員の協力が不可欠となっている。
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