春闘本格スタート、労使トップが会談 3%賃上げが焦点

 

 経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長は23日、経団連会館(東京都千代田区)で、労使のトップ会談を開き、平成30年春闘が本格的に始まった。今春闘は、安倍晋三首相が3%の賃上げを経済界に要請するなかで、これまでよりも一段と高い水準での賃上げを実現できるかが焦点になっている。

 会談で榊原氏は「3%の賃上げを社会的な期待として意識し、前向きに対応していきたい」と、会員企業に踏み込んだ賃上げを求める方針を改めて示した。

 神津氏は「昨年は中小企業の賃上げ率が大手を上回り、非正規形態で働く人が正規よりも高いアップ率を引き出せた。この動きを社会全体の動きに広げたい」と、今年も昨年に引き続き、底上げを重視した交渉を進めることを強調した。

 長時間労働是正や非正規労働者の待遇改善など働き方改革も今春闘の大きなテーマだ。政府は22日召集の通常国会で関連法案の成立を目指すが、榊原氏が「関連法案に対応した企業の事前の対応が重要で、(関連法成立後の)スムーズな立ちあげに取り組むべきだ」と指摘。神津氏も「労使交渉で働き方改革の実行に向けた協議が重要で、これを日本の共有財産にしなくてはならない」と語り、春闘の大きな論点との認識を示した。

 今春闘は、各労働組合が2月中旬にも要求書を会社側に提出。3月中旬の集中回答のヤマ場に向け、各労使の交渉が本格化していく。