中国の原発建設、26年には世界最大
「中国の原発建設は今後も拡大し、2026年には米国を抜いて世界最大の原子力発電大国になるだろう」-。英国の石油大手、BPが昨年発表した世界のエネルギー見通しに関する報告書で、こう予測した。
中国政府の統計などによると、17年5月現在、中国では高速炉実験炉を含めて37基の原発が稼働、容量は約3200万キロワット余りに達し、日本の8割弱になった。総発電量に占める比率は3.6%だった。このほか20基、約2200万キロワットが建設中で「総容量を15年の2700万キロワットから20年には5800万キロワットに拡大、3000万キロワット分の建設を始める」というのが現在の目標だ。
新増設進まぬ米
世界一の原発大国・米国では寿命を迎えて廃炉原発が増える一方で新増設は進まず、設備容量は減少が予想されるのに対し、26年には中国の総容量が1億キロワットを超えて、米国を上回るというのがBPなどの予測だ。
11年の東京電力福島第1原発事故を受けて中国政府は運転中の原発を停止して、計画段階の原発の新規着工を凍結して安全性の確認を行った。一時、原発建設は停滞したが、その後、安全性が確認されたとして、再び、推進路線に復帰した。
大気汚染対策や地球温暖化対策のために石炭火力発電を大幅に削減することが急務となっているのが大きな理由で、中国政府関係者は「1次エネルギーに占める非化石エネルギーの比率を現在の10%程度から20年に20%程度にするという国の目標達成にも、原子力拡大は欠かせない」と話す。
安全性を高めた第3世代炉と呼ばれる国産原発「華龍1号」を開発。パキスタンで建設を始めるほか、英国でも採用されるなど国際市場に打って出る姿勢も示している。
だが、国内の原発建設計画は必ずしも順調ではなく、特に内陸部での計画の遅れが目立つ。原因の一つは東芝子会社の米原発大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の経営破綻だ。WHは、浙江省三門原発と山東省海陽原発に同社の原発AP1000を2基ずつ世界で初めて建設することになっているが、運転開始は当初の予定から大幅に遅れ、建設コストの増大も指摘されている。
同様に経営危機に陥ったフランスの原子力大手アレバが広東省の台山に建設している最新型の欧州加圧水型炉(EPR)も、目標だった17年中の運転開始は実現できなかった。
印、50年に比率25%
一方、国際原子力機関(IAEA)によると、インドには現在22基の原発が稼働中。容量は約622万キロワットで電力の3.4%をカバーする。このほか6基が建設中だ。インド政府は、急増するエネルギー需要や地球温暖化対策として原発を強力に推進する姿勢で、32年には容量を6300万キロワットに拡大、50年には発電比率を25%にまで高めるという大胆な目標を掲げる。だが、インドも原発建設は海外企業に依存する部分が多く、目標達成は容易ではない。このため政府は昨年5月、70万キロワット級の国産原発10基を建設すると発表した。
日本政府は16年、日印原子力協定を締結し、日本企業の原発輸出を支援する姿勢を見せているが、原発事故の際に原発を供給した企業にも損害賠償を求めるインドの国内法の影響もあって、積極姿勢を示す日本企業は少ない。
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