平昌五輪 北軍創建70年、大規模軍事パレードか 「米との接触意向なし」…融和と軍事力を同時誇示し日米韓を分断
【江陵=桜井紀雄】平昌五輪開幕を翌日に控えた8日、北朝鮮は、朝鮮人民軍創建70年の記念日を迎えた。平壌では、金日成(キムイルソン)広場で大規模な軍事パレードが行われる可能性が高い。金正恩(ジョンウン)政権が五輪参加で韓国の取り込みを図る一方、日米への対抗姿勢を維持する中、米本土を狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)など核戦力を登場させるかが注目される。
北朝鮮は、五輪への代表団として金永南(ヨンナム)最高人民会議常任委員長や金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正(ヨジョン)氏の派遣を表明。米国からはペンス副大統領らが出席するが、8日付党機関紙、労働新聞によると、外務省局長は7日、「明確にしておくが、訪問中に米側と会う意向はない」と述べた。「われわれは米国に対話を哀願したことはなく、今後も同じだ」とも主張した。
北朝鮮代表団の1人、崔輝(チェフィ)国家体育指導委員長は、国連安全保障理事会の制裁対象に指定されている。聯合ニュースやAP通信によると、韓国国連代表部は7日(米東部時間)、崔氏の韓国渡航を例外措置として認めるよう要請。安保理が承認した。
平壌ではこれまで、大勢の人員を集め、軍事パレードを準備しているとみられる動きが衛星写真で捕捉されている。今回、約1万3千人の将兵を含む約5万人を動員し、パレードやマスゲームを展開すると予想されている。戦闘機や輸送機を使った航空ショーも準備しているもようだ。北朝鮮は今回の記念日に合わせ、外国メディアに訪朝を打診しながら不許可にした。
五輪会場がある韓国・江陵(カンヌン)では8日夜、北朝鮮の「三池淵(サムジヨン)管弦楽団」による公演が予定されている。“南北融和”と“軍事力”を同じ日に誇示することで、韓国と日米との分断を図る狙いもうかがえる。
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