コインチェックが“一歩前進” 他の取引所は安全優先アピールに躍起

 
仮想通貨取引大手「コインチェック」が入るビル=東京都渋谷区(春名中撮影)

 コインチェックが日本円の引き出しを13日に再開するのは“一歩前進”といえる。だが、多くの被害者のほとんどの資産は流出したネムやビットコインなどの仮想通貨。出金の見通しは立っておらず、不安は残る。一方で流出問題を受け、他の取引所は顧客資産を守るための安全対策を優先する姿勢をアピール。顧客の不安を払拭しようと躍起だ。

 コインチェックが顧客の資金を管理する口座として公表しているのは、りそな、住信SBIネット、あおぞら、オリックスの4銀行で、計数百億円の残高があるとされる。日本円の支払いは、これらの口座から行われるとみられる。

 ただ、コインチェックが顧客から預かる資産の口座と取引所本体の口座を区別して管理しているかどうかは不明だ。日本円の出金再開後、支払いに運転資金を充てることになれば、コインチェックの経営が立ちゆかなくなる可能性もある。

 東京都新宿区の男性(28)はコインチェックに入金した60万円を全て仮想通貨にしており、日本円を出金できない。「事業継続が危うくならないか心配」と不安を隠さない。

 一方、他の取引所は安全対策のアピールに躍起だ。

 最大手の一角、ビットフライヤー(東京)は流出直後の1月30日、「『セキュリティ・ファースト』主義」を表明。顧客と自社の仮想通貨は金額ベースで8割以上をネットワークから隔離された「コールドウォレット」で保管しているといい、送金に複数の秘密鍵を求める「マルチシグ」も基準を厳格化するという。

 ビットトレード(東京)は、顧客資産の全額コールドウォレット管理を強調。マルチシグは「安全性の検証を終えたものから適時移行している」とした。

 みなし業者のビットステーション(名古屋)は「安全面でのリスクを考慮し、マルチシグ化の対応を図っている」としている。