中国、対米で万全の布陣を狙うも、「台湾」「知財」での折り合いは…
【北京=三塚聖平】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)で19日に承認された習近平政権の閣僚人事では、副首相の一人に「米国通」で知られる劉鶴・共産党中央財経指導小組弁公室主任が選ばれた。王岐山国家副主席も対米外交で指導的役割を果たすとみられ、習国家主席が対米外交で万全の布陣を狙ったことがうかがわれる。ただ、「台湾」「知的財産」など米国との折り合いが難しい問題も多く、狙い通りに対米外交が進むかは不透明だ。
「習氏が対米外交を重要課題としていることは人事を見ても明白だ」
米中関係に詳しいエコノミストは、2期目の習政権の布陣について“対米外交シフト”と指摘する。
今後、習政権の対米外交は王氏、劉氏、楊(よう)潔(けつ)●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(ち)政治局員を軸に進められるもようだ。今回、楊氏は国務委員の職務から外れたが「引き続き外交で重要な役割を果たす」(外務省報道官)。党の中央対外連絡部と中央外事工作指導小組を統合した新組織のトップに就くとも報じられている。
米ハーバード大留学の劉氏は「経済面では米側の真意を知り尽くしている」(経済関係者)と評される米国通で、楊氏も駐米大使など米国畑を歩んだ外交官出身。中国人民銀行(中央銀行)副総裁や金融担当の副首相を務めた王氏も米財界との太いパイプを誇る。
ただ、対米外交では難題が急浮上している。16日には米台高官らの相互訪問を促す「台湾旅行法」が米国で成立。台湾を不可分の領土とみなす中国側には看過できない敏感な問題で、中国外務省が即座に米側に厳重抗議した。
また、中国による知財権侵害を理由とした制裁措置をトランプ政権が近く正式発表するとの見通しを米メディアが報道。鉄鋼とアルミニウムの輸入制限に続く中国を狙った制裁措置とみられ、まさに米中経済戦争の“開戦前夜”といえる。
中国側としては、米国との本格的な対立は経済環境悪化につながるため穏便に済ませたいのが本音だ。しかし、台湾や知財など重要問題では強い対応を取らざるを得ず、王氏らの手腕が早くも問われることになる。
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