問題山積、あまりに多い違法民泊 京都市の独自条例で打開なるか

 
一軒家の前に掲げられた看板。中国語と英語、日本語で違法民泊であることを説明している=昨年11月8日、京都市右京区

 「違法民泊の数があまりにも多くて…」。京都市職員のため息混じりの一言から、問題の深刻さを感じさせられた。

 国内外から多くの観光客が訪れる京都市で生活していると、一般住宅に旅行者を有料で泊める「民泊」が旅行者の宿泊の選択肢を広げることから重宝されていると実感する半面、悪質な事業者による違法民泊の横行も目につく。

 昨年末に違法民泊について市に取材した際、現状のひどさに驚いた。近隣住民から市の相談窓口へ寄せられる苦情には、騒音やごみ捨てに関するものが多かった。

 さらに「全面禁煙のマンションだがベランダで煙草を吸い、部屋を覗いてきた」「マンションに不特定多数の宿泊者が出入りしており、オートロック機能が意味をなしておらず不安」といった声もあるという。

 もし自分のマンションでも同じことがあったら-。そう考えると、決していい気はしない。

 これらの問題の要因として、市職員は「営業がバーチャル(仮想的)に行われているため、住環境のことを分かっていない営業者がいる」と指摘する。民泊事業者の中には東京など遠方にいながら、掃除などの管理は現地の業者に委託しているケースもあり、近隣に迷惑をもたらしている状況をちゃんと把握していない可能性があるという。

 こうした中、住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月に全国で施行される。現行法では禁じられている住居専用地域での営業が可能となり、都道府県など自治体に届け出た家主は年間180日を上限に住宅地(住居専用地域)でも民泊を営業できるようになる。

 しかし、市は地域住民の生活環境を守るため、10分以内に駆けつけられる場所に対応可能な管理者を置くなどとする条例を、規制緩和を前にした2月に成立させた。住宅地での営業も、京町家や家主が同居している物件など例外を除いて1月15日~3月15日の観光閑散期に限定することで、実質的に不可能にした。

 新法施行まであと3カ月。市による独自のルールは問題が山積している民泊の打開策となるのか。今後に注目したい。

(京都総局 南里咲)