佐川氏証人喚問 衆院でも答弁拒否を連発、「訴追の恐れ」 首相答弁の影響は否定

 
参院予算委での証人喚問で宣誓する佐川宣寿前国税庁長官=27日午前9時36分

 佐川宣寿前国税庁長官は27日の参院予算委員会での証人喚問で、財務省の決裁文書改竄(かいざん)をめぐり、安倍晋三首相、昭恵首相夫人から指示があったかどうかについて、いずれに対しても「ございませんでした」と証言した。午後の衆院予算委員会では、「刑事訴追の恐れ」を理由にたびたび答弁を拒んだ。

 佐川氏は、文書改竄をめぐり、首相、昭恵夫人のほか、菅義偉官房長官、首相秘書官、麻生太郎財務相、財務相秘書官、内閣官房から指示があったかどうかについて、いずれに対しても「ございませんでした」と証言した。

 佐川氏は、学校法人「森友学園」への国有地貸し付け、売却契約で、安倍首相や昭恵夫人の影響があったかどうかについて「あったとは考えていない」と述べた。決裁文書改竄に関し、安倍晋三首相や官邸側との間で「協議、相談もなかった」と述べた。また、財務省の決裁文書から昭恵夫人に関する部分が削除された理由について「答弁を控えたい」と述べた。

 改竄前の決裁文書に森友学園との国有地取引で「特例的」「特殊性」という表現が記載されていたことについて、昭恵夫人や政治家の関与を意味したものではないと指摘し、「貸し付ける場合の期間は通達に3年と書いてあり、その期間は特例承認をもらって変えることができる。『特例』とはそういう意味だ」と証言した。

 佐川氏は、決裁文書の書き換えを知っていたかという金子原二郎委員長の質問に「告発を受けている身であり、捜査の対象であり刑事訴追の恐れがある。答弁を差し控えたい」と述べた。

 一方、「国民の皆さんに行政の信頼を揺るがす事態になった。誠に申し訳ない。当時の担当(理財)局長として、ひとえに責任は私にある」と陳謝した。

 佐川氏は、昨年の理財局長時代の国会答弁について「今思えば、丁寧さを欠いていたことは間違いない。その点は申し訳ない」と陳謝した。

 ただ、森友学園との価格交渉をめぐる国会答弁について、「路線価や公示地価といった話をすることはあるが、最後は不動産鑑定価格によって決まるという答弁をしてきた。私自身の答弁は、今でもそういう意味では正しかった」と述べた。

 佐川氏は、森友学園への国有地売却に関し「(政治家からの)不当な働きかけはなかった」と証言した。

 国有地売却をめぐって安倍首相が昨年2月17日に「私や妻(昭恵夫人)が関係していたということになれば首相も国会議員も辞める」と国会で答弁したことが自らの答弁に影響したか、との質問に、「私自身は変えたとの認識はない」と証言した。

 佐川氏は午後の衆院予算委員会の証人喚問では、改竄前の財務省の決裁文書を見たかどうかを問われ「刑事訴追の恐れがあるので答弁を控える」と述べた。

 財務省理財局長として昨年の国会で森友学園への国有地売却に関し「交渉記録は廃棄した」などの答弁が誤っていたのではないかと指摘されたが、「刑事訴追の恐れがあるので答弁を控える」と語った。安倍晋三首相らの国会答弁が自身の答弁に与えた影響については否定した。