公示地価 茨城の工業地、25年ぶり上昇 住宅・商業も下落幅6年連続縮小

 

 国土交通省が27日に発表した平成30年の公示地価で、茨城県内で価格が上昇した地点は38地点(前年比プラス17地点)、横ばいが148地点(同プラス37地点)となった。価格の平均変動率は工業地が5年以来25年ぶりに上昇に転じた。住宅地と商業地は26年連続で下落したが、下落幅は6年連続で縮小している。(鴨川一也)

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 県内で調査したのは、住宅地533地点、商業地128地点、工業地22地点など計687地点。調査地点数は昨年と同数だが、調査地点が1つ変更された。

 工業地では1平方メートル当たりの平均価格が前年比プラス0・6%の2万900円だった。地価の上昇が見られたのは6地点で、昨年の1地点から増えた。

 変動率の上昇幅が最も大きかったのは、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の開通効果を検証するため、昨年に新設された「五霞町元栗橋観音下403番8外」で、前年比プラス11%だった。このほか龍ケ崎、常総、牛久、守谷、つくばみらいの5市の各1地点で価格が上昇した。

 ひたち不動産鑑定(水戸市)の不動産鑑定士、塚本修一氏は「昨年2月の圏央道県内区間全線開通の効果が大きい。県南地域では千葉県側などと比較しても割安感があるため、需要が高まっている」と分析している。

 他の用途別では、1平方メートル当たりの住宅地の平均価格が前年比マイナス0・7%の3万900円、商業地は同マイナス0・7%の5万5400円で、全用途では同マイナス0・6%の3万5千円となった。

 住宅地で価格が上昇したのは26地点で、昨年の17地点から増加した。守谷市7地点、古河市5地点、鹿嶋市4地点、結城市、龍ケ崎市、牛久市、つくば市で各2地点などとなっている。

 商業地は昨年より3地点多い、6地点が上昇。内訳は龍ケ崎市とつくば市の各2地点と土浦、守谷両市で各1地点。横ばいの地点は全体で前年の111地点から148地点に拡大した。

 県水・土地計画課は「緩やかな景気回復が継続する中、長期間の下落で底値感が出ている地域が拡大した」とみている。

 最も高い住宅地は、2年連続で「つくば市竹園1丁目8番2」で19万円。上位5位につくば市の4地点、守谷市の1地点が入り、つくばエクスプレス(TX)沿線が上位を占めた。

 最も高い商業地は、JR水戸駅前の商業ビル「マイム」の「水戸市宮町1-2-4」。27万4千円(前年比マイナス1・1%)で24年連続で1位。同ビルは今年秋に丸井水戸店が撤退するが、塚本氏は「後継事業者による商業施設の継続が決まっており、下げ止まり感も出ている」と評価した。2位以下はつくば市や守谷市の商業地が続いた。

 住宅地で変動率の下落幅が大きかった上位5位を常総市が占めた。27年9月の東日本豪雨以降、周辺のインフラ整備は進んだものの、人口が戻らず、市外へ流出するなど宅地需要が下がっていることが原因とみられる。