2050年エネルギー政策 原子力は「脱炭素化の選択肢」、経産省が提言

 
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 経済産業省は10日、2050年時点の長期エネルギー政策を話し合う有識者会議を開き、原子力を「脱炭素化の選択肢」とする提言を取りまとめた。温暖化対策として二酸化炭素(CO2)排出の削減を目指し、再生可能エネルギーを「主力」の電源にすると明記しつつ、原子力の活用余地を残した。技術や環境の変化を見極めるため、将来の電源別の発電割合は決めなかった。

 今夏にまとめる30年に向けた政策指針「エネルギー基本計画」に反映する。提言は、国際枠組み「パリ協定」を踏まえ日本が定めた温室効果ガスを50年に現状より80%削減する目標の実現に向け、再生エネや原子力などあらゆる選択肢を「全方位」で追求するとした。

 原子力は福島第1原発事故を踏まえ、「可能な限り依存度を低減する」との従来方針を堅持した。ただ、海外で安全性の高い小型原子炉の研究開発が進むなど技術革新の可能性があるため、「人材・技術・産業基盤の強化に直ちに着手」するとしている。

 一方、太陽光など再生エネは主力電源化に向け、「経済的に自立」を目指すとした。出力変動に対応する蓄電池や水素発電と組み合わせたシステムでも、原発や石炭火力発電と同水準まで費用を低減する方針だ。

【用語解説】エネルギー基本計画

 国の中長期的なエネルギー政策の指針で、政府に策定が義務付けられている。2003年10月に最初の計画がつくられ、おおむね3年ごとに見直して閣議決定する。電力やガス、石油などエネルギー企業の投資計画にも影響を与える。旧民主党政権は10年に原発と再生エネルギーの比率を30年までに約70%に引き上げる目標を掲げたが、原発事故で方向転換。現計画は原発依存度を可能な限り低減すると明記している。今夏に次期計画をまとめる方針だ。