農研機構、農業に関するデータベースを運用開始 農業の効率化に期待

 

 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県つくば市)がIT企業や農業機械メーカーなどと連携し、作物の特性や土壌、気象など農業に関する情報を一元的に把握できるデータベースの運用を4月中に始めることが23日、分かった。4月に理事長に就任した久間和生氏が産経新聞のインタビューに答えた。さまざまなデータを組み合わせて利用すれば、農業の効率化が期待できそうだ。

 データベースでは、農研機構が管理する農産物の品種や土壌の成分だけでなく、地図や気象、生育予測など、官民が持つデータを農業に活用できる。

 例えば、トラクターの位置情報などと気象データを組み合わせて共有すれば、農業者同士が互いの作業状況を確認でき、協力して効率化できる。さまざまなデータで生育予測の精度向上も期待でき、農家は出荷計画を立てやすくなる。

 参加企業・団体は120を超える。誰でも利用できる本格運用は1年後の平成31年4月としており、参加企業・団体をさらに増やす。

 久間氏は元三菱電機副社長で、初の民間出身の理事長。三菱電機では、携帯電話のカメラなどに使われる「人工網膜チップ」研究開発と事業化を推進。政府の総合科学技術・イノベーション会議議員を務めた。

 久間氏は農業の成長産業化に向け、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)の農業への活用を目標の柱に掲げる。

 農研機構はこれまで品種改良や栽培技術などの研究が中心だったが、今後は蓄積してきた質の高い農業データを生かす応用研究や実用化研究に重点を置く。久間氏は「AI技術にたけた研究者を積極的に採用し、これまでの研究との相乗効果を生み出す」と語り、数年かけて研究者の配置を見直す方針も示した。