黒田日銀総裁、貿易戦争が「最大のリスク」と指摘 「なぜ円が逃避先通貨なのか理解できない」

 

 【ワシントン=塩原永久】日銀の黒田東(はる)彦(ひこ)総裁は23日の米CNBCテレビの番組で、保護主義的措置の応酬となる貿易戦争が「世界経済が直面する最大のリスクだ」と述べた。貿易摩擦の激化が、実際に経済の見通しなどに悪影響を及ぼす場合は「当然対応しなければならない」と指摘し、金融緩和策などを通じて対処する可能性を示唆した。

 黒田氏は、国際通貨基金(IMF)関連会合への参加のために訪米した際、同テレビの取材に応じた。

 米中が互いに輸入品への関税発動を表明し、対立が激化している。黒田氏は現段階で日本に大きな影響はないとの認識を示す一方、「(世界の)中央銀行は金融政策を決定する際、すべての要素を考慮に入れなければならない」と話した。

 一方、日本の物価動向の低迷に触れ、日銀の審議委員が「上方リスクより下方リスクの方が大きいとみている」と指摘。2%物価目標の到達まで「日銀は緩和的な金融政策を続けることが必要だ」と述べた。

 黒田氏は2月の金融市場急変に関連し、「なぜ日本の円が逃避先の安全通貨とされるのか理解できない」と指摘。日本が「意図的な(通貨の)切り下げはしていない」と強調した。