ロシア、日本の共同案を拒否 極東ハバロフスク空港の建設事業、工期・採算性に溝

 
国内線の新ターミナル建設が進むロシア・ハバロフスク空港=4月19日(共同)

 日露両政府が進める経済協力の目玉案件、ロシア極東のハバロフスク空港の近代化で、日本側の共同事業提案をロシア側が最終局面で拒否していたことが分かった。日露双方の関係者が明らかにした。日本不在のまま、中核事業の国内線新ターミナル建設をトルコの共同事業体が受注し3月に着工。今後、日本抜きで事業が進む懸念が出ている。

 極東の中心都市ハバロフスクの空港近代化は、北方領土交渉の進展を目指す安倍晋三首相が2016年にプーチン大統領に提案した8項目の経済協力プランの重要案件。極東開発で存在感を示したい日本はつまずいた形だ。

 関係者によると、国土交通省が支援し、総合商社の双日と日本空港ビルデング、海外交通・都市開発事業支援機構から成る日本勢が49%、ロシア側が51%の出資比率で、新ターミナル建設や運営などの共同事業に乗り出す計画だった。

 日本勢はハバロフスク空港会社と16年12月に共同事業の覚書、17年4月に新ターミナル建設に関する合意文書を交わした。同年12月には地元知事が「日本企業との実質的な交渉を終えた。資金枠組みを協議している」と発言、日本の参加は確実とみられていた。

 しかし、ロシア側は今年2月、新ターミナル建設に政府系の極東発展基金と対外経済銀行が39億ルーブル(約68億円)を拠出する枠組みを決め、日本の融資提案を退けた。

 極東開発を統括するトルトネフ副首相は3月の新ターミナル着工式典で「ロシア側提案の方が日本案よりもよかったと聞いた」と発言。ロシア側が工期を優先し、採算性をめぐり慎重な日本勢を排除した可能性がある。

 国際線ターミナル改修や複合商業施設の建設も予定されており、空港側は「日本の参加を歓迎する。現在も交渉中」と説明。一方、双日は取材に、融資案が拒否された事実を認め「運営に参画するため協議を続けている」としながらも「民間事業なので利益がないとできない」と回答した。(ハバロフスク 共同)