日欧、米の車輸入制限に懸念 3極貿易大臣会合、中国対応で協調

 

 日米欧の3極貿易大臣会合が31日、パリで開かれた。会合では中国を念頭に不公正貿易に共同して対応する方針を確認する一方、日欧はトランプ米政権が検討する自動車の輸入制限に強い懸念を表明。欧州は米国による鉄鋼の輸入制限発動方針にも強く反発したもようだ。米国と日欧の溝は埋まらず、31日からカナダで開かれる先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議でも通商問題が大きな議題になるとみられ、貿易摩擦が激化する恐れがある。

 貿易大臣会合には日本からは世耕弘成経済産業相が出席したほか、米国はライトハイザー通商代表部(USTR)代表、欧州連合(EU)はマルムストローム欧州委員が参加した。

 トランプ大統領は5月23日、自動車に高関税を課す輸入制限の検討を指示した。これに対し世耕氏は「EUと連携しながら、貿易大臣会合などの機会を通じて米国に(懸念を)伝える」としていた。

 一方、トランプ政権は3月に発動した鉄鋼の輸入制限で、暫定的に適用除外としていたEUにも高関税を課す方針を固めたもようだ。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が5月30日伝えた。EU側は、輸入制限が適用されれば米製品に報復関税を課すとしており、米欧の対立激化は必至だ。

 鉄鋼の輸入制限をめぐっては、適用された日本も除外を要求し続けている。これに対し米国は適用除外と引き換えに日本に2国間の自由貿易協定(FTA)を求め、さらなる市場開放を迫る恐れがある。

 日本政府は31日、G7が開かれるカナダで麻生太郎財務相がムニューシン米財務長官と31日(日本時間6月1日)に会談すると発表。通商問題も論点となるもようだ。(パリ 三井美奈、大柳聡庸)

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【用語解説】輸入制限

 国内産業の保護などを目的に、海外製品が大量に入ってくるのを防ぐため、高関税を課したり一定の量を上回る輸入を認めなかったりする措置。トランプ米政権は安全保障上の脅威を理由に、一方的な対抗措置を取れると定めた米通商拡大法232条に基づき鉄鋼などの輸入制限を実施。輸入車への高関税も検討し、日欧などが反発している。(パリ 共同)