【Q&A】米中貿易戦争、日本への影響は?
経済規模で世界1位と2位の米中両国の通商摩擦が新たな段階に突入している。両国は6日、互いの製品に大規模な追加関税を発動。二大経済国の「貿易戦争」への発展が危惧されている。今後の見通しや日本経済への影響などをQ&A形式でまとめた。
Q 米中による通商摩擦の発端は
A きっかけは「米国第一主義」を掲げるトランプ米大統領の誕生だ。米国は底堅い経済成長を背景に輸入が増加し、モノの貿易赤字が2017年に前年比約8%増の7956億ドル(約88兆円)に達した。このうち中国に対する貿易赤字は全体のほぼ半分に相当する3755億ドル。貿易赤字の削減を目指すトランプ氏は3月、安全保障が脅かされるとして中国を主なターゲットに、鉄鋼とアルミニウムに高関税を課す輸入制限を発動。これに対し中国も報復関税を課した。
Q 6日に米中は相互に追加関税を発動した
A 両国は5月以降、閣僚級の会合を3回開いて歩み寄りを模索したが実現しなかった。巨額の対中貿易赤字にいらだつトランプ米政権は知的財産権の侵害を理由に約340億ドル(約3兆8千億円)相当の中国からの輸入品に関税を25%上乗せし、中国も同規模の報復関税を発動した。米国は中国のハイテク分野など818品目、中国は米国産牛肉や自動車など545品目を対象にしている。
Q 世界経済にどのような影響を及ぼすのか
A 米中が互いに追加関税を課せば輸入物価の上昇を通じ、両国の個人消費が停滞しかねない。二大経済大国の需要が低迷すれば、世界経済全体への波及は不可避だ。
Q 日本経済への影響は
A 世界的に景気が悪化すれば、輸出主導型の日本経済にも悪影響が及ぶ。貿易戦争のリスクが高まるほど、相対的に安全な通貨とされる円が買われる可能性があり、円高が進めば、日本企業の輸出の採算悪化にもつながる。
Q 今後の見通しは
A 米中両国が矛を収める具体的な動きは見られない。そればかりか両国はそれぞれ160億ドル分の製品を対象に追加関税を準備している。さらに各国が警戒するのが、トランプ米政権が検討する自動車の輸入制限だ。発動されれば影響は大きく、各国の反発は必至だ。制裁措置の応酬ともなれば、米中だけでなく、世界に「貿易戦争」といえる事態が広がりかねない。
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