韓国 報道介入を描く映画ヒット 日本でも上映会
ドキュメンタリー映画「共犯者たち」監督の崔承浩氏=6月9日、東京都中野区
韓国の2008年から17年までの保守政権下で、報道機関への圧力と闘った記者らを記録した映画「共犯者たち」がドキュメンタリーとしては韓国で異例の観客数26万人を突破してヒットし、日本でも上映会が開かれるなど反響が広がっている。権力に対するメディアの脆弱(ぜいじゃく)さが浮かぶ内容。監督の崔承浩氏は「言論統制は日本を含め、どの国でも起こり得る」と警鐘を鳴らす。
韓国では李明博元大統領から朴槿恵前大統領までの保守政権下、政権に批判的な報道をしたテレビ局への人事介入があったり、番組が打ち切られたりし、当時の報道現場は「暗黒時代」と言われた。政権寄りの報道が増えたことに国民が強く反発、マスコミの蔑称に当たる韓国語「キレギ(記者とごみを組み合わせた造語)」が広まった。
「共犯者たち」は、取材現場を追われてスケート場で働くテレビ局記者や、圧力に対抗してストライキに突入するメディアの労働組合など権力との攻防を生々しく記録。韓国で昨年8月に公開され、異例のヒットとなった。評判は日本でも広まり、6月9日に東京都内で開かれた上映会では約500席の会場が満員となり、同16日の名古屋での上映会も多くの人が足を運んだ。
MBCテレビのプロデューサーとしてスクープを連発してきた監督の崔氏も、退職に追い込まれた一人。政権交代後の昨年12月、MBCテレビに戻って新社長に就き、立て直しに尽力している。崔氏は「(報道機関は)失った国民の信頼回復に時間がかかっている」と話す。
報道の自由をないがしろにした2人の大統領経験者は刑事責任を問われる立場だ。崔氏は「2人の元大統領も報道介入で不正を隠そうとせず、説明を尽くしていれば、致命的なスキャンダルにはならなかったのではないか」と指摘している。
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