【専欄】共産党、「習近平時代」の変化 中央組織部の公表データから探る党員構成

 
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 中国共産党の中央組織部は毎年7月に前年末時点での党員数やその年の入党者数などを公表している。そのデータを基に、胡錦濤時代と習近平時代を比較し、共産党がどのように変化したかをさぐってみた。(元滋賀県立大学教授・荒井利明)

 胡錦濤時代は10年間だが、後半5年間の2008~12年を見ると、党員は7415万人から8513万人に増えている。増加数は1098万人で、増加率は15%近くに上る。

 これに対し、習近平時代の最初の5年間の13~17年を見ると、増加数は444万人と少なく、増加率も5%余りでしかない。胡錦濤時代に比べ、増加数も増加率も大幅に減っている。

 その理由は入党希望者が減少したためではない。17年末の時点で入党申請者は1930万人近くもおり、10年前とほとんど変わらない。12年秋に総書記に就任した習近平が、党員は「量よりも質」という方針を打ち出したためで、党員の年間増加率を1.5%に抑えることが目標となっている。背景にあるのは、腐敗を始め、さまざまな問題を抱える不合格党員が少なくないという現実である。

 胡錦濤時代最後の12年の党員増加率は3.1%だったが、習近平時代になると、新たな方針により、13年の増加率は1.8%に低下し、17年には0.1%にまで落ち込んでいる。胡錦濤時代に比べて、入党がかなり難しくなっているといえよう。

 党員の内訳を見ると、男性優位は変わらないが、女性の比率が徐々に増えている。12年末は全体の23.8%だったが、17年末は26.7%である。新しい入党者だけを見ると、現在、約4割が女性で、女性比率を意図的に増やしているものとみられる。

 職業別では、労働者の党員は12年末には725万人だったが、17年末には665万人に減っている。農・牧・漁民の党員は2535万人から2550万人に増えたものの、増加率はわずか0.6%でしかない。

 党員全体に占める労働者の比率は習近平時代の5年間に8.5%から7.4%に低下し、農・牧・漁民の比率は29.8%から28.5%に低下している。労働者と農・牧・漁民を合わせても全体の36%でしかない。

 改革開放時代の市場経済化に伴って、社会全体の職業構成は大きく変化しており、党員の構成が変化するのも必然である。かねてから指摘されているように、中国共産党はもはや労働者や農民の党ではないのである。(敬称略)