就活ルール、平成33年春入社から廃止意向 経団連会長
記者会見をする経団連の中西宏明会長=3日午後、東京都千代田区の経団連会館
経団連の中西宏明会長は3日の記者会見で、現在の大学2年生が対象になる平成33年春入社の大手企業の採用選考に関し、会社説明会や採用面接の解禁時期などを定めている経団連の就職・採用活動のルール「採用選考に関する指針」を廃止すべきだとの考えを示した。
中西氏は現在のルールについて「時代に合わないし、経団連が日程を采配するのには違和感がある。(周囲からは)『廃止は困る』という意見はない」と説明した。廃止は「個人的な考え」としており、経団連として今後も議論を継続する。
経団連は、32年春入社までの採用日程については現行ルールを継続し、会社説明会は3月1日、採用面接や筆記試験は6月1日、正式内定は10月1日の解禁と決めている。
ただ、来春入社の採用面接などが解禁された今年6月1日には、既に大学4年生の4割強が内定を受けていた。罰則はないため「解禁破り」が後を絶たず、大手企業も水面下で学生に接触し、ルールの形骸化が指摘されている。
経団連に加盟していない外資系企業などはルールに縛られず早期に採用活動を始めており、会員企業からは日程の前倒しを求める声もある。
中西氏は採用選考のあり方について、「日程だけの問題ではなく、企業が人材をどう採用し、育てるかは個社の方針」と指摘。その上で、「大量の応募書類が来ても、真剣に読み切れない。学生側も大企業志向で、就職ではなく『就社』になっている」と問題視した。
今後、政府や大学などの教育機関も交えた議論が必要となるが、「就活のあり方そのものをめぐる徹底した議論が必要」と強調した。
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