「ふるさと納税」制度見直し 自粛要請に開き直る自治体

 

 ふるさと納税の返礼品について、総務省がこれまでの「自治体任せ」から法規制へかじを切ったのは、大阪府泉佐野市などが度重なる総務省からの返礼品見直し要請に応じなかったからだ。野田聖子総務相は「ふるさと納税は制度存続の危機にある」とまで言い切り、法規制で見直しを迫ることで、すでに見直した自治体が抱く不公平感の払拭を狙う。今後は実質的なふるさと納税の窓口である各ポータルサイトの規制も焦点となりそうだ。

 野田聖子総務相は11日の閣議後記者会見で、地方税法改正も視野にふるさと納税制度を見直す方針を正式に表明した。地場産品以外などを返礼品として提供している大阪府泉佐野市などが、総務省からの自粛要請に対しても見直しの意向を示さないため、総務省は法規制に乗り出すことを決めた。

 返礼品を地場産品に限ることや、調達費を寄付額の30%以下にすることなどを法制化し、守らない自治体には寄付しても税の優遇措置を受けられないようにする。

 「法改正に至るなら対応せざるを得ないが、どういう法改正になるかわからないと対応しようがない」。総務省から返礼品の調達額が寄付額の30%を超え、地場産品以外も取り扱っているとして注意された静岡県小山町の担当者は、消極的な姿勢を示した。

 総務省は今回の法改正の検討までに2017年4月、18年4月の2度にわたって返礼品の見直しを求めてきた。ゴルフ道具や家具、家電など自粛を求める品目を具体的に示したほか、返礼品が寄付額の30%を超えないことや地場産品以外を扱わないことなども要請。多くの自治体は要請に応じ、返礼割合が30%を超える自治体の数は16年度の1156から今月1日時点では246まで減っていた。

 ただ、野田氏の「地方自治をきわめて大切に思っている」という意向もあり、総務省は法的拘束力がない要請にとどめてきた。そのため「町としての判断でやっている。要請は助言に過ぎない」と開き直る小山町や、「なぜ返礼割合が3割なのか、何が地場産品なのか、自治体も納得できる議論を経た基準作りが必要では」と反論する泉佐野市などは要請に応じなかった。応じた自治体は「“正直者がばかを見る”では困る」と総務省に不満を漏らしていた。

 今後、総務省は地方税法改正案に違反の返礼品を具体的に示す検討に入る。来年4月の改正法施行前に、自治体の自主的な見直しを期待するが、実際は改正法施行後に対応する自治体が多そうだ。

 一方、一部のふるさと納税ポータルサイトは、自治体から原資を得てポイント還元キャンペーンを実施しており、別のサイト関係者は「ポイントの法規制も進めなければ抜け穴ができる」と指摘する。野田氏もこうした点を問題視。「ふるさと納税はショッピングではない。寄付だと分かっていただく。多角的に検討したい」と述べ、対応を進める考えを示した。(大坪玲央、高木克聡)

 ■返礼割合の見直し時期を示していない主な自治体

  (寄付受入額/返礼割合/返礼品の例)

 ・大阪府泉佐野市 135億円/50.0%/うなぎ、ビール

 ・佐賀県みやき町  72億円/49.0%/家電、ギフトカード

 ・佐賀県唐津市   43億円/52.0%/化粧品、サプリメント

 ・静岡県小山町   27億円/40.0%/家電、ヘリコプター周遊券

 ・佐賀県嬉野市   26億円/65.0%/温泉宿泊券、酒類

 ※受入額は2017年。返礼割合は18年3月時点。泉佐野市は総務省の調査に未回答